——(笑)。ちっちゃい時はどんな子どもでしたか?
Maa「私は親に“この子大丈夫かな?”って思われるくらい、いつもぽーっとしてました(笑)。本当に普通の子どもで、どちらかというとあまり目立たないタイプ。自分の意見や自分の話をするのが苦手で、自分から“こうなりたい!”って発信することができなかったんです。妹は私と正反対で、“あれになりたい、これになりたい”っていうのがはっきりあって、昔から個性的で面白かったの。年が離れすぎてるからコンプレックスみたいなものはなかったけど、妹が生まれた時は親の愛情を取られちゃうんじゃないかって寂しさは感じてたみたい。母が言うには、妹用の赤ちゃんのおもちゃを私が全部欲しがるから、いつも2個ずつ買うようにしてたとか。“お姉ちゃんだから我慢しなさい!”って叱ることはしないで、欲しいものを与えてくれていたの」
——UCARYちゃんもMaaちゃんも、お母さんが優しくていいなあ。エイミのママは怒ると怖い(笑)。
Maa「あ、でもうちも躾に関してはすごく厳しかったよ。何か悪さをすると、家の裏にあった蔵に入れるぞって脅されて、それがすごく怖かった。あと門限があって、夕方5時を過ぎると鍵をかけられちゃう。よく閉め出されては、泣きながら謝ってた。だからお母さんは怖い存在だったし、いまだに怒られてるから同じだよ(笑)」
UCARY「うちも同じです! 門限は本当に厳しかった。高校になるとライヴで遅くなることもあったけど、認めてもらうまでやっぱりすごく時間がかりました。人気が出てくるとライヴの出番が最後の方になるから、どうしても遅くなっちゃうんです。焦りながら家に帰ると、親が待ちかまえていてものすごく怒られて。一度ライヴを観に来てもらってからは、親も応援してくれるようになりました。でも過保護なところは変わってなくて、実家に帰るといまだに門限があります。夜の10時。ライヴだったらしょうがないけど、遊びに行くとなったら“今どこ?”“帰りは何時になるの?”なんて調子でもう大変(笑)。よく上京させてくれたなって思います」
Maa「本当だよね。うちもよくフランスに行かせてくれたなあ」
——Maaちゃんの父さんとお母さんはどんな人?
Maa「両親とも趣味が多くて、やりだしたら突き詰めていくタイプ。母は洋服を作るのが好きで、機織機を買ってきて、糸を紡ぐところから始めてみたり。父はもともと茶道をやっていて、登り窯でお茶碗も焼いたり。私も小さい頃はよくお父さんの真似をして土で小さな魚を作ったりしていたので、そこは影響を受けてるかも。親は私がぽーっとしてるのを心配して、バイオリンやピアノ、能楽とかいっぱいお稽古事に行かせてくれて。当時は好きになれないものもあったけど、今は沢山経験させてもらって良かったなって思う」
——エイミもバイオリンとピアノやってる。
Maa「楽しい?」
——うん。指の体操みたいで楽しい。
UCARY「指の体操って面白いね」
——料理はイヤだと思わなかったの?
Maa「うん、大好きだった。料理人になろうと決意したのは短大生のときで、フランス語の曲を聴いて“カッコイイ!”ってフランスに憧れて。料理人=カッコイイ、フランス=カッコイイ、“じゃあフランス料理を勉強すれば、フランスに行けるんじゃない?”って閃いた(笑)。そのとき生まれて初めて、“私はこれがやりたいんだ!”って両親に言ったの。自分から主張することなんてそれまで全くなかったから、お父さんもお母さんもビックリして、すごく応援してくれて、フランスに行ける学校を一緒に探してくれた。やりたいこともなかったからぼーっと短大まで普通の学校に行ってたんだけど、この先は働くか専門の勉強をするかどちらかしかないって考えたとき、“料理人だ!”って思った。遅いスタートだったから、これは絶対にやり遂げないといけないなっていう覚悟のようなものがあった。でもまさか、こんな厳しい仕事だとは思ってなかった(笑)」
——お料理って厳しいの?
Maa「そうだね。たくさん覚えることがあるし、たくさん身体も使うよ。でも好きだったら大丈夫!」