(c) Hideki Nakazawa and Nameko Shinsan
辛酸なめ子と中ザワヒデキによる二人展「n次元」を6月6日(土)〜6月21日(日)に神田のオルタナティブスペース「TETOKA」にて開催。
学生時代に辛酸なめ子が中ザワヒデキのアシスタントをして以来、20年以上の付き合いの2人だが、今回は初の共同展となる。
辛酸は自身の煩悩をなくすことを目標に、2010年より瞑想を日課とし、毎日かかさず続けている。瞑想中には、舟から手を振る人々、穴から出入りする少女、沼に現れたネッシー、椅子に腰掛けた僧侶、歩くパワーストーンなど、不思議なモチーフや風景がまぶたの裏側に突然現れる、と辛酸は言う。本展では、瞑想中に意識の奥から浮かび上がってくる図像を描いたスケッチやペインティング「瞑想画」を発表する。
中ザワヒデキは、1990年から1996年にかけて2Dビットマップ・ペイントソフトを駆使して描いた「バカCG」を元に、ピクセルのジャギーこそがデータに忠実なフェティッシュであるとし、新たに2010年以降に展開したアンチアンチエイリアシング」シリーズを出展する。
(c) Nameko Shinsan
(c) Hideki Nakazawa (Courtesy of Gallery Cellar)
開催に先立ち、前夜の6月5日(金)には、アーティストを囲みオープニング・レセプションを開催するほか、会期中には本展だけの特別トークイベントを開催する。
2人が誘う「n次元」の世界を体験しに、足を運んでみてはいかが?
展覧会名:辛酸なめ子 中ザワヒデキ「n次元」
会期:2015年6月6日(土)〜6月21日(日)
オープニング・レセプション 6月5日(金)19:00〜22:00
関連イベント1:「バイト日記リターンズ」
6月12日(金)19時30分開始(1,000円・1ドリンク付)
1993年から約3年間、中ザワの元でアルバイトをしていた辛酸が、他のバイト仲間とともに学習帳につづった「バイト絵日記」。約20冊もの日記を元に、あんなことやこんなこと、盛りだくさんの思い出(黒歴史)を振り返るほか、辛酸や中ザワの往年のフロッピー作品を当時のマシンで再生しながら大トーク!
関連イベント2:「先見ゼミリターンズ」
6月20日(土)19時開始(1,000円・1ドリンク付)
1990年代にも、SNSの先駆はあった!
1994年〜96年にかけて、タイガーマウンテンネット上で、パロディ通信添削を行った「先見ゼミ」。
タイガーマウンテンネットが滅亡した現在、カラフルな文字で書かれた、赤ペソ先生と生徒たちのやりとりを、当時のマシンで再現。
インターネット前夜の東京に存在したヒップカルチャーを、クレイジーにトーク!
※イベントのある日は営業時間が変更となる場合あり。TETOKAホームページ、フェイスブックでの確認を。
会場:TETOKA
東京都千代田区神田司町2-16楽道庵1F
TEL:03-5577-5309
URL:http://tetoka.jp/
協力:GALLERYCELLAR、有限会社アロアロインターナショナル企画:YuMurooka
辛酸なめ子
1974年東京都生まれ、武蔵野美術大学短期大学部グラフィックデザイン専攻卒業。柔らかい文体と相反したシニカルな視点と画風を持ち味に、漫画家、文筆家として、雑誌やテレビ、ウェブサイトなどを中心に活躍。その一方、人間の内面、精神世界をモチーフとしたアートワークを数多く制作し、これまでにミヅマアートギャラリー(2003年)、無人島プロダクション(2008年)、森岡書店(2010年)等で積極的に発表。
中ザワヒデキ
1963年新潟県生まれ。千葉大学医学部卒業後、眼科医として勤務した後に、1990年よりヘタうまCGイラストレーターとして活動し、1997年に純粋芸術へ転身。以降、多彩な経験で培われた構造、数学などの理系知識と、デジタル技術、グラフィックスなどの手法を連携した作品を制作。中ザワの作品に見られる規則正しい手法への固執は、色彩の快楽の否定へと繋がり、彼が名付けた「方法主義」という新たな動向を日本の現代美術界にもたらした。代表作である「方法絵画」、「灰色絵画」、「脳波ドローイング」、「セル」などからも伺えるように、既存の芸術の手法には頼らず、常に新たな表現方法、手段を提示し続けている美術家である。