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Jan Shotaro Stigter and Riki Eric Hidaka 『Double Happiness In Lonesome China』インタビュー(後編)

―そうだね。さっき二人が生み出すマジックって言っていたけど、二人でやっている時、そういうマジックは、普通にセッションとかして生まれるものなの?

RIKI「セッションしている人達にしかわからない、素敵な心地がある。Janがどう思っているか知らねえけど、俺はJanとはすごい楽しい」

Jan「もう、イカレてるって感じ。言葉にならないものがやってくる。それって最高じゃないですか。別にその音楽に限らず。デートしている時とかも『この人こんなこと言っているよ、やばくね?』って、ロケット爆発みたいな(笑)」

―うん。最高だね!あ、そういえば、ふたりはどうやって仲良くなったの?

RIKI「二子玉で一緒にね」

Jan「そう。俺の方が最初にやっていたバンドがあって。始めた時に、ガレージでやっていて、その時の大学の同級生の女の子の地元の友達みたいな感じでMIRROR MOVESとかいて、never young beachの前の、夢見ているとかあって」

RIKI「あ、俺それ言いたかったな。俺、世の中のシティみたいなの、本当にクソだと思う。本当につまらないことを一生やっていると思うし、こんなこと普通に載せなくていいただの会話だけど、本当にクソだと思う。『何を考えて生きているの?』って、俺はすげー思っちゃう。日本の人達は悪口言わなすぎ。特に日本のバンド。評論家や批評家も。誰もが誰もをいいじゃんって思っているわけないと思うんだけど、良くないと思うものを言えよと俺は思う。俺も言われたいし。俺は名前を言うし名前を出して教えてほしいけど、Yogee New Wavesとか、never young beachとか、なんだっけ。ああいうお前ら一回下津くん(光史/踊ってばかりの国)とタイマン張れって感じ」

Jan「いやでもね、俺は悪の根源は山下達郎だと思っている」

―通ってないな、そこは。

RIKI「俺も聴いたことない」

Jan「シティポップの、色気のないソウルをやったことの。俺は本当に悪の根源だと思う」

RIKI「ユーミンもめっちゃ嫌いじゃん」

Jan「嫌いっていうか、曲がひどいとかじゃなくて、サウンドが存在する上で、人の色気だったりを拭いさってしまうことが悲しいなと思うだけ。Yogeeにしろ山下達郎にしろ、嫌いなものというより、何が好きで何が嫌いかっていうのが、やっぱりはっきりと自分の音楽が好きな人は持ってくことがすごいあったらいいなと思う」

―嫌いというよりは、そういうものが溢れていて居場所がないやつが居場所作って楽しめればいいと思うんだよね。

RIKI「だからあいつらも勝手にやっていることだから俺らがわざわざあなたたちのところに入っていって嫌いですよとか言う必要はないんだけど」

Jan「みんながイエスとノーを意識として持っているのは大事だと思う。誰もががなんとなくいいって言っているからいいっていう曖昧な潮風みたいになってくると、なんかね……。音楽をやることについて、それに強い意志をもって接することができるようになったら俺はすごくいいなと思う」

―そういう人の中で居場所が感じれなくて、とりあえず嫌とはいってないけど、何かひそめて持っている人もいるだろうし。でも自分の感性に正直であるべきというのが普通であるべきなのだと思う。逆に、グレーな人達の聴き方がよくわからない。

RIKI「俺はわからないままでいい」

―わかったらその対処法があるのかなとも思うんだけど。

Jan「対処法になるかもしれないよ、俺たちの音楽は」

RIKI「そんなこと考えなくてもいいんだよ」

Jan「でもそれって人のためになるからね。生まれてから死ぬまで一番楽しんで素晴らしい快楽を得て死んでいく人が増えたらいいと思う。それをみんなできればみんな幸せになれると思うんだけど」

―音楽は動物的な快楽だけど、カバーが厚すぎてそこに届いてない感がある。

Jan「それが届くようになれば政治に対する意見なんかも正直に意志として表れてくると思うから」

―うん、人とのコミュニケーション自体も色々変わると思う。

RIKI「でも甘いと思うよ」

―日本の場合、まあ海外は海外であるけど、タレントないやつがなんでタレントって呼ばれるのって。ちゃんとアーティストが評価される社会になっていないんだよ。だから商業的に見てもそうやってお金あって、嘘であってもどれだけまわせるかで決まったり。

Jan「その嘘がすごく分厚く積み重なってきちゃった時代だからさ」

―その反動、絶対揺り戻しはある。だからそこを期待して、仕掛けたり、面白くしたいとは思っているよ。

Jan「ここにいる人みんなが、根源の問題も見据えつつ、未来に対してどういう意思を持って行けるのかみたいなのを考えているのは最高だなと思います。人間全部の人が生きて死ぬまでに美しい形の感動をしてほしい。それをしないままに死んじゃう人がいると思うから。そういう爆発を死ぬまでにしていける世界になったら本当に最高な地球になるし」

RIKI「俺は全然、マジで興味ないもん」

Jan「俺はキリストになりたい。キリストになりたいというか、人の中の愛を爆発させたいっていう意志はある」

―最後に、二人ともミドルネームを入れた名前で出したのも本気だからって言っていたけど、それは本当?

RIKI「俺はそう」

―Janは?

Jan「わかんない(笑)。ダメだ、笑っちゃって」

—朝の4時の会話にまたなってきたね(笑)。 
写真 依田純子/photo  Junko Yoda

文 アラン・ボスハート/text  Alain Bosshart

編集 桑原亮子/edit  Ryoko Kuwahara

 

rikijan

Jan Shotaro Stigter and Riki Eric Hidaka

『DoubleHappiness In LonesomeChina』

(STEREO RECORDS)

2015年4月18日RECORDSTOREDAY2015オフィシャルアイテム

https://soundcloud.com/stereo-records/alain-the-thinker-dub

https://soundcloud.com/stereo-records/superjockey 

ヤンによるレコード全曲PVも公開!

A面全曲のPV:

https://www.youtube.com/watch?v=IiCmfvM8MfA

 

B面全曲のPV:

https://www.youtube.com/watch?v=q6cpMIg6sPw

 

★Jan

http://janphilomela.tumblr.com/

https://twitter.com/1930jan

1990年5月4日・東京都出身

GREAT3、jan and naomi、The Silenceなどのグループで活動中。

演奏、歌唱、作詞、作曲はもちろん、映像制作やアートワークも手掛けるミュージシャン。

jan and naomiはこれまで7inchシングル「A portrait of the artist as young man/time」、EP「jan,naomi are」を発表し、最新作にINO hidefumiと配信ライブアルバム「Crescente Shades (24bit/48kHz)」がある。米DRAG CITYレーベル よりThe silence 1st album 「THE SILENCE」が3月25日に全世界リリース。Stereo RecordsよりRiki Eric Hidakaとの共作 「DOUBLEHAPPINESS IN LONESOMECHINA」を4月18日にリリース。

★Riki Hidaka

http://rikihidaka.com

http://www.stereo-records.com/label/rikihidaka/

91年生まれ、ギタリスト。自主制作のアルバムを今までに3枚発表(いずれも非売品)。14年レコードストアデイにセカンド・アルバム「POETRACKS」の12インチを広島のStereo Recordsからリリース。2015年4月18日にはJan Shotaro Stigterとの共作アルバム「Double Happiness In Lonesome China」をStereo Recordsからリリース。

 

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