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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#17 言葉

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直接関係がないかもしれないが、ここまで語って来たことを踏まえて知ると、きっと面白いだろうエピソードが一つある。
オノ・ヨーコとジョン・レノンとの出会いのエピドードなので、知っている人も多いと思う。細部のことはよく覚えていないが、おおまかな粗筋を。
ジョンが初めてヨーコのエキジビションが催されていたギャラリーを訪れた時のこと。この時、ジョンはヨーコのことを何一つ知らず、友人に誘われたか、もしくは、たまたま一人でぶらりと入った。
そこには一枚のキャンバスがあり、虫眼鏡が添えられていた。キャンバスの上には小さな小さな文字で何かが書かれてあり、虫眼鏡で拡大して見ると、そこには「イエス」と書いてあった。ジョンはとても感銘を受けた。もしそこにある言葉が「ノー」だったら、その後のロマンスはなかったとジョンは後年語っている。白いキャンバスに「イエス」があったころで、ジョンは救われた、有名なビートルは無名な前衛芸術家に恋をしたのだった。
正しい言葉を選ぶのは、楽しく暮らし、美しく生きるために、必要な技術だと思う。
それは適切な食事、運動、コスメ、などを選ぶのと、少なくとも同等なこと。あまりにも日常的で見逃しがちだけど、口にする言葉というのは改めて大切にしたい。
こういうことは、人が人類というスケールで育んで来た文明文化の叡智の中にも十分に語られているので、フィットするものを選んで取り入れるのもいいと思う。
例えば、人気がすっかり定着したホ・オポノポノなども好例だろう。
「ごめんなさい。許して下さい。ありがとう。愛してます」という4語を心の内で反芻するだけで、自分や周囲をクリーニングできるというシンプルなハワイの教えは、実行するのが拍子抜けするぐらい簡単なことだ。
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