サンローランのクリエイティヴ・ディレクターであり、そして無類のロック・アディクトとしても知られるエディ・スリマン。ピート・ドハーティ、クリストファー・オーウェンス、アリエル・ピンク、キム・ゴードン……と錚々たる名前が並ぶ交遊録は言うに及ばず、その審美眼の高さについても多くの音楽ファンの間で認められた通り。先日もグラミー授賞式に合わせて主催したパーティ(※スカイ・フェレイラ、ドラムスらが出演。ちなみに、授賞式では最優秀アルバム賞を獲得したベックが全身サンローランで登壇)が話題を集めたが、そんなエディが現在、熱視線を注いでいるのがロサンゼルスのインディ・レーベル〈Burger Records〉。主にガレージ・ロックやローファイ系をレーベル・カラーとする〈Burger Records〉だが、エディは所属アーティストをサンローランのモデルや音楽プロジェクト「Saint Laurent Music Project」に起用するなど、その熱の入れようは格別。また、近年のブームに先駆けてカセット作品のリリースを続けてきた〈Burger Records〉は、インディ・ミュージックのコアなリスナーの間でもひときわ支持を集めるレーベルのひとつだ。そんな〈Burger Records〉の日本でのポップアップストアのオープンを記念して来日した、看板アーティストのレックスとレーベル・オーナーのショーン・ボアーマンに話を聞いた。
―昨日のショーケース・ライヴ、時間は短めだったけど盛り上がりましたね。
レックス「うん、日本でライヴをやるのは初めてだったけど、ほんとよかったよ。お客さんの反応もよかったし、気持ちよく演奏できたよ。あと、会場(And A渋谷店)の雰囲気がオレンジ・カウンティの〈Burger Records〉に似てたから、すごくリラックスして演奏できたし」
―ライヴではアルバム『I Really Tried To Save The Day by REXX』のジャケットと同じメイク(※目の周りを赤く隈取)をしてましたね。あれをするとミュージシャン・モードに入ったりする感じなんですか?
レックス「いや、前からメイクしてステージに立ってたんで、それをアルバム・ジャケットの写真にもそのまま採用してるんだよね。あのジャケットのアートワークは僕が描いてるんだ。ステージでもメイクしてるから、アルバムのほうもメイク姿にしてるんだよ」
―そもそもメイクをするようになった理由は?
レックス「ライヴをやり始めた頃、1人でステージに立つのに慣れてなかったこともあって、メイクでお客さんの目を引いとけば、ちょっとぐらいミスしてもバレないかなって感じだったんだよね(笑)。今はさすがにステージに慣れたけどね。ただ、ずっとメイクでステージに立ってるから、メイクなしだとちょっと変な感じというか」
―金髪のショートカットで、全身黒づくめで、目の周りをメイクしてて。ぱっと見、『Sally Can’t Dance』の頃のルー・リードぽかったです。
レックス「アハハハハ、それウケる(笑)。彼女に勧められて最近になってようやく聴くようになったんだよね」