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Salyu 「話したいあなたと」第三回:長岡亮介(ペトロールズ)

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——そのとき持ってたデモは音楽的にはどういう感じだったの?

長岡「初期のペトロールズみたいな感じかな」

——今よりロックっぽいというか。

長岡「そう。もっとごちゃごちゃしていて。そこから徐々に自分がやりたいことはロックではないんだなと気づいて、ロック色が薄まっていくんだけど」

Salyu「そんなことがあったんですね」

——Salyuさんは留学経験ってありますか?

Salyu「私はね、留学しかけたことがあったんですけど、結局行かなかったんですよ」

——それはいつごろ?

Salyu「Lily Chou-Chouの活動をやる直前ですね。当時はまだ学生で、語学留学するための書類も全部書き終えたときにLily Chou-Chouのプロジェクトが始まっちゃったんですよ。事務所からも『行かないでほしい』って言われちゃって。だから私は今、長岡さんの話を聞きながらドキドキしてしまった。あのとき行けなかったという心残りがどこかにあるから。もうすぐ35歳になりますけど、今でも留学したいという思いもある。日本とは違う文化を体感している人と話がしてみたいなって。異文化を通して自分の国の文化や生活の良し悪しがわかるところもきっとあると思うから。シンガーとしての活動が始まってから海外レコーディングをしたりとか、いろんな国に行かせてもらいましたけど、留学ではないから。何かを学びに行く志しのもとに海外に行くことにずっと憧れてるんですよね」

長岡「でも、Salyuさんは帰国子女っぽい雰囲気があるよね」

——うん、ある。

Salyu「それは私の母のバックグラウンドが影響してるのかも。私の母はサンディエゴにいる実母の姉——つまり叔母のところに養子に行ったんです。だから、私も小さいころから食卓でも日本語と英語が混ざった言葉で注意されたりして。『ストップ! スプラッシュしてしまうからやめなさい』みたいな(笑)。それを聞いて私とお兄ちゃんはよくわからなくて大笑いしたりして。そういう母の感覚を私も引き継いでるのかもしれない」

長岡「そういう環境なら余計に留学してみたかっただろうし」

Salyu「そう」

長岡「どこの国に留学しようとしてたんですか?」

Salyu「それがね、イギリスなんですよ」

長岡「ああ、そうなんだ」

Salyu「だから長岡さんの話を聞きながらすごくドキドキした。これも何かのご縁だなとも思ったし。一度ちゃんと海外に行くなら早いほうがいいと思うし、これからどこで何を学んでいくことを優先すればいいか、今も葛藤してますね」

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