——仕事と違って子どもは自分の思うようにコントロールできませんからね。
DJ DARUMA「そういう意味では最初の話とつながるんですが、僕も妻もお互いに音楽だったりファッションだったり、自分自身がカルチャー好きでいる事がすごく助けになっている。自分の中で親以外のモードになれるところがあるってすごくありがたいことなんです。心の拠りどころになるし、切り替えもできるし。むしろ子どもが生まれたからという理由でカルチャーとのつながりを完全に切ったりするほうが人生が汲々になってしまうと思うんです。だからこそ、カルチャーとの距離を離さないほうがいいし、子どもたちと一緒に楽しめるものにしていったほうがいい」
——日頃からそういったカルチャーに触れてきたお子さんたちは、もうお父さんの仕事についても理解しているんですか?
DJ DARUMA「長女はもうDJという概念はわかってますよ。音楽をかけて、みんなを楽しい気分にさせる仕事。夜になって出かけようとすると『今日はDJ?』なんて聞いてきます(笑)」
——自分の影響を感じることはありますか。
DJ DARUMA「娘は親の目から見ていて絵を描いたりものを創ったりすることがすごく好きみたいで。絵画教室に通っているんですが、そこは工作も教えていて、毎回すごく独創的なものを創ってくるんですよ。まだ5歳ですけど、クリエイティブ気質があるのかなと感じます。かと思えば、『アイドルになりたい』とも言うんですが(笑)。下の子はまだ3歳なのでなんとも言えませんが、音楽に合わせて体を動かすのが好きなので4歳になったらダンススクールに行かせてみようかなと思っています。どんな事にせよ、親としては基本的には子どもたちのやりたいことをやらせてあげたいです」
——「子どもの声を聴こう」と心がけていることはありますか。
DJ DARUMA「日頃から子供たちに言っていることがあって、それは『何かあったら必ずパパとママに相談して』ということなんです。そのときに『絶対に嘘はつかない』ということ、『相談することは恥ずかしいことでも怒られるようなことでもない』ということをしつこく言い聞かせています。『だから何か嫌だなと思うことや変だなと思うことがあったら必ず言ってね』と。『報告』『連絡』『相談』のことを『ほう・れん・そう』って略すじゃないですか。それを子供にも教えて、幼稚園から帰ってきたときに『はい、ほう・れん・そう』というと、今日何があったのか話してくれるんです。そんなときにちょっと口をつぐむようなこともあるんですよ。それで次の日に幼稚園に行きたくないと言い出したり。そんなとき『いつも言ってるでしょ。話してみて。大丈夫だよ』と話してるうちに少しずつ本音を話してくれる。聞いてみると、ちょっと乱暴な口調な男の子がいたとか、そのぐらいのことなんですけど、そういう経験を積み重ねて成長していくんだなということがわかるし、初めて“社会”の中で人間関係に直面して子どもなりに思うところがいろいろあると思うんですよ。それを抱え込ませないで、ちゃんと親が聞いてあげて一緒に向き合うことが大切なのかなと思います」
——何か問題が起きてからではなく、日頃から子どもの声に耳を傾けようとする姿勢を見せていくことが大事ですよね。
DJ DARUMA「それと、とにかく基本設定としてやっぱり愛をもって接してあげることですよね。『これが正解』という答えはもちろんわからないですが、何より重要なのは子どもに対する愛だと思います。娘が生まれたときはちょうどカレンOの『All Is Love』が流行っていた時期で、あの曲が僕たちの育児中のテーマソングになっていたんですが、本当にあの曲の通りですよ。すべては『愛』だと思っています」
DJ DARUMA
http://web.stagram.com/n/djdaruma/.
Save the Children「HEARプロジェクト」
http://www.savechildren.or.jp/hear/donation/
※本記事は個人のインタビューによって構成されており、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの公式見解ではありません。
撮影 フジイサワコ/photo Sawako Fujii
文・編集 桑原亮子/text & edit Ryoko Kuwahara