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女王蜂『奇麗』インタビュー(後編)

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女王蜂、約3年ぶりのフルアルバム『奇麗』。アヴちゃんが自身の恋愛を赤裸裸に描いた歌詞は恐ろしいほどに率直で優雅である。さらにその恋愛という普遍的なテーマを聴く者ひとりひとりの脳内で“僕の/私の歌”に転換させるポップさ、それを支えるバンドサウンドの跳躍——すべてが群を抜いた紛れもない傑作。

(前編より続き)

——今作はヴォーカルにも驚きました。

アヴちゃん「女王蜂の前知識なく今回のアルバムをパッと聴いて、全部同じ人の声ですって言われたらめちゃ驚くやろな(笑)。何人かおるよなあって。1人だよー、1人デュエット(笑)」

―地声をかなり出していたけれど、前に人格で声が変わるということを言っていたから、そういった意味で地の声が大きいということはひとつ大きなポイントかなと。

アヴちゃん「ああ、地声がセンターにいる感じよね。確かにそうかも」

―素の自分を出そうという思いがあったのか、それとも単純に音的なはまりだったのか。

アヴちゃん「音なのかな。そんなに意識はしてない。そういうことは人に言われて初めてああと思うけど、大きかったのは”始発”と”髪の毛”の歌入れの時に涙が出た自分。今までどんなことがあっても歌入れの時に涙なんか出なかったのに。録ってる時期が恋愛中で色々あった最中というのもあるけど、それでも自分にすごくびっくりした。レコーディング中に泣く自分に『うわっ、素人!』って悔しい気持ちもあったけど、仕方がないからそこも活かして録ったところもあるし」

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