OKAMOTO’Sのメンバーが友人はもちろん、憧れのアーティストなどをゲストに迎える対談企画第7弾は、パリコレクションにも参加するブランド、JOHN LAWRENE SULLIVANのデザイナー柳川荒士が登場。無類の音楽好きとしても知られる彼が、ファッションに強い関心を持つオカモトショウと初の対談。音楽とファッションというジャンルは違えど、志や姿勢は共通する2人はあっという間に意気投合。熱いトークを繰り広げました。
(前編より続き)
柳川「僕たちもたった10分くらいのショーに、4、5か月かけて挑んでるんです。ボクシングもそう。相手が決まったらその一人のためにトレーニングして、1か月前から減量を始めて。試合は3ラウンドKO勝ちもあれば判定勝ちもあり。3分で終わろうが30分で終わろうが、すごく儚い。ずっと頑張ってきたものが、大切だったものが、サクッと終わってしまう。でもまた終わった瞬間から始まっているんですよね。ボクシングも、勝てば次の相手が決められるし、ショーはエンドレスで続いていく。よくみんなに『辛くない?』って言われるんですけど、僕はプレッシャーが好きなんだと思うんです。求められると怖いじゃないですか」
ショウ「それは、どうしてもね」
柳川「でもプレッシャーから逃げていく自分なんて認めたくないから、乗り越えていこうと向き合う。そうやって向き合っていると越えられるというか、自分なりの形にはなっていくし、気持ちがいい。ボクシングも、ちゃんとやっていれば負けても悔しさとともに気持ちよかったりする。ファッションも同じ。当たり前だけど評価は様々で、いいと言う人もいれば悪いと言う人もいる。僕は100人中の80人を取りにいくためにわかりやすいものを作っているわけではなく、自分や自分がやりたいことに対して向き合って、凝縮して絞り出しているから、評価は割れていいんです。逆に評価が割れない方が怖い」
ショウ「確かにそうですね」
柳川「ものを作って発表することは、すごくエゴイスティックなこと。勝手に作って勝手に出すんだからそうですよね。その作品を好きだと言ってくれる人がいて、ちゃんとご飯を食べられていて、新しいものを作る循環をさせてもらっているというのはすごく恵まれている。だからこそプレッシャーから逃げてはいけないし、嘘をつかないもの作りをやっていかないといけない」