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OKAMOTO’Sのアドレス帳 Vol.7  柳川荒士(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)×オカモトショウ(前編)

柳川「そもそも自分の中で美しい、格好いいと思うものに元からテーラードやイギリスの匂いが入っているから、例え別のコンセプトでやっていたとしても自然とそうなってしまうというのはありますね。最初は『なんとなくイギリスっぽいね』と言われることに抵抗がありましたが、そのプロセスを通過して、ルーツも取り込んだうえで自分にしかできないことを東京から世界に向けて発信していけていると思えてきたんです」

ショウ「俺たちもOKAMOTO’S印をどうつけていくかをすごく考えているところで。悩んでも仕方ないと思うし、活動を続けていく事によってその印ができていくものだという事は頭ではわかっていながら、『どうやんの?』とずっと考えていたので、荒士さんの姿勢にシンパシーを感じたし、一番いい形で展開されている先達と出会えて嬉しかったです」

柳川「やりたいことをやっていくしかないですよね。やっても全く意味がなかったという時間もあるかもしれないけれど、様々なところを経過しながら、自分たちの最も適しているものや本当に好きなものをに辿り着くと、ルーツが同じでも何もしないで辿り着いた人とは違うアクや匂い、個性というものになっていくんだろうと思います。でもOKAMOTO’Sは独特のグルーヴ感があると思いますよ。やっぱり演奏が上手いし、ライヴを観てみたいなと思わせるようなバンド。エネルギーを感じるというか、ライヴを観たらもっとガツンとくるんだろうなと思いました」

ショウ「俺たちはロックバンドなのでライヴありきなんです。だからそういう感じ方をしてもらえるのは嬉しいですね。以前、夏フェスで色んなトラブルが重なって自分たちの機材が全く使えないかもしれない状況に陥ったことがあって、いざとなったら会場にいる先輩達から楽器を借りて、それに合わせてセットリストを変えてやろうという話もしていたんですが、結果的にはなんとか間に合って。でもそれがフェス中の話題になって、他の出演者の方から『人の楽器を借りてもできるってすごいね』と言われたんですね。同期で自分たちが演奏していない音も流れるシステムを組んでいたり、プログラミングしている音楽を使って楽曲を演奏したりといういろんな機械仕掛けが多い昨今、楽器さえあればライヴができますよってバンドは少ないと思います。本来はそれでショーができるというのが最低条件だし、当たり前なはずなんですけどね」

柳川「ミュージシャンとして、バンドとして本質的な人たちは楽器があればできるというイメージがありますからね。ライヴ、いいですね。ボクシングでリングに上がる気持ち良さも、ライヴに近い感覚だったと思います。入場してリング上がって、一対一にされて、怖いんですよ。檻の中に入れられて、ゴングが鳴ったら誰も助けてくれない。トレーナーたちもタオルを投げるしかできない。だからものすごく怖いんだけれど、同時にアドレナリンが出て興奮するし楽しい。ランウェイショーも同じ感覚なんです」

ショウ「ああ、わかります。生では観れていませんが、パリコレの映像を観せていただいて、凄かった。ライヴは『見ろー!』って感じで気持ちいいですよね。自分にとっては初めて観るものでも聴くものでもないけれど、お客さんが目の前にいることで初めて自分も感動したり。後でライヴ映像を見返すと、その瞬間瞬間、1秒1秒をどれだけ自分の中で長く感じていたかわかります。ここはこう思って歌っていたなと思ったり、時間の感じ方が全く違う。弦が切れたり、ハプニングが起きた時の乗り越え方もセンスだと思うので、ちゃんと乗り越えられたら『ヨッシャ!』と思いますし」

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