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問題作と言われた芥川賞小説を、青山監督が故郷の北九州にて映画化。性と暴力、そして親子の血をめぐる物語が確たる実態を持って艶かしく立ちのぼっていく。テレビや映画で良い人を演じることの多い光石研がまさに台風の目とも言うべき凶暴さで周囲を圧倒。「え!!」と驚かされるシーンも多いが、その全てが映画的な重厚さで織り成されており、目と心を惹き付けてやまない。また負の連鎖を断ち切ろうと凛と起つ女優陣の姿にも胸熱くなる。すべての膿みを出しきり、見終わった頃には達成感すら迸る究極のデトックス映画と言えるのかも。