――2014年を振り返って、印象に残ったCMといえば?
カナ「一番びっくりしたのは、ウェブサイトの背景が全部ジャックされている広告。ウェブの意向やセンスも乗っ取ってしまう感じで、もうびっくり。ファッションスナップドットコムの背景がハーレーダビッドソンだったことがあって、それは微妙だったけど(笑)。動画でいうと、ネット限定公開のCMとかメイキング映像。なかでも長澤まさみがCMしていたロッテのワンタブっていうお菓子のCMとメイキングが印象に残ってる。“これカワイイ!”って思ったら、やっぱりつい見ちゃう」
マミ「私は動画はあんまり見ないというか、PRって書いてあると、“クリックしたらヘンなとこに飛んじゃうかも”って思って、たいてい避けちゃう。でもYouTuber(ユーチューバー)のサイトを見てる時に、お気に入りの人が何かコラボしてたりすると見に行くことはある。『リンネル』もよくコラボをしてて、結構いいものがあったのですごく印象に残っているな」
サチコ「カゼをひいた友達のために一生懸命料理をつくってあげている動画があって、それはCMっぽくなくて何だか最後まで見ちゃったな。無音のストーリーなんだけど、知らない女の子たちが自然に演じてる。ちょっとしたドラマみたいで、CMなのかどうかもわからない。それくらい押しつけがましくないと、かえって惹かれるよね」
――この間、海外のCMなんだけど、すごく感動させられた動画があって。いろいろな国の少年に将来の夢を聞いて、次に女の子を登場させて、彼女のことを褒めてというと靴がカワイイ、目がカワイイと、思い思いに口にする。彼女に触ってみてというと、照れながらほっぺたとか触ってる。最後に彼女をぶってというと、全員NO。女の子は花束を贈られる存在だから、そんなことはできないと。実はDVをなくそうというキャンペーンで、小さい頃は女の子を大切にするのに、大きくなったら何故叩くんだって問題提起をしてたんだと思う。
マミ「大学生が水を届けるCMがフェイスブックで流れてて、それも感動だった。ペットボトルの水を持ってアフガニスタンみたいな所に行って、濁った水を飲んでる女の子と替えてくるっていうCM」
――人権保護団体が作るCMって胸に迫るものが多い。大切なテーマが語られているからついつい見ちゃうし、拡散したいと思わせる。
カナ「人権保護団体ではないけどACもそうだよね。プチドラマ的な感じ」
サチコ「それとはちょっと違うけど、私がすごく好きなのがオロナインのCM。手に顔が描いてあって、洗っていくとどんどん困った顔になっていく。最終的に“ずっと手を洗ってるとあかぎれになっちゃうよ”というメッセージを伝えてて、すごくカワイイ。“こういうものを宣伝してます!”っていうよりも、そうやって“実は……”ってちょろっと商品を出す方がやっぱり入りやすい。押しつけてない感じの方が好感を持ちやすいと思う」