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BOMI『BORN IN THE U.S.A.』インタビュー

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——「月曜のメランコリー」だってものすごくギミックに富んだ曲なんだけど、でも実はこの曲のプログレッシブな展開やサウンドのギミックってサビのグッドメロディを強調するためにあると思うんですよ。そこはやはり津野米咲はさすがだなと思ったし。

BOMI「ホントに。おもしろかったのが米咲ちゃんに『歌詞を付けにくいメロディでしょ?』って言われたんですけど、めちゃくちゃ付けやすかったんですよ。日本語が乗りやすくて。最初に『次のアルバムに楽曲提供してほしいんだけど、興味があったらどうですか?』って話して、『するする!』ってノってくれて2曲送ってくれたんですね。そのうちの1曲が“月曜のメランコリー”で。最初にデモを聴いたときは全部キーボードでメロが入っていて『え、これ私歌えるのかな?』って思ったんですけど、米咲ちゃんに私がこれを歌えると思ってもらえてるなら負けないぞって思って」

——彼女はBOMIちゃんのスキルをあらかじめ見抜いてたんだと思う。

BOMI「だとしたら光栄ですよね。私もこの曲が大好きなんですけど、ただこの曲がリードとしていろんなところに流れで、このロッキンな感じが今の私だと思われるのは違うなとも思っていて。でも、この曲を入口に新しいリスナーが振り向いてくれるならありがたいことだから、この曲を提供してくれた米咲ちゃんとベースを弾いてくれたハマくんにはすごく感謝していて」

——でも、サビの哀愁に満ちたメロディはワントーンの全体像と調和してると思うから。ホントにこの曲を入口にほかの曲も楽しんでもらえたらいいですよね。

BOMI「そうであってほしいですね」

——過去の自分を埋葬し、そして新生するという作品の全体像は、ここ1、2年でBOMIちゃんに起こった出来事やそこで覚えた感情を総括して、この作品から明確に新たなフェイズに立とうとしたからこそこうなったのは間違いないですよね。

BOMI「うん、そうですね」

——前回のインタビューと重複する部分もあると思いますが、あらためてそのあたりを話してもらえますか。

BOMI「どういうパッケージにするかスタッフとやり取りを重ねていくなかで、私が“さよならミゼラブル”という曲を書いて。いろんなしがらみをチャラにして、すべて更地になったときにあの曲が生まれたんですよね。そういう状況を今のスタッフが見たときに『だったら自分で自分のお葬式をすればいいんじゃない?』って言われて。『ああ、確かに』って思ったんです。再生=リボーンとかよくあるテーマだし、それじゃつまらないと思って。それなら生まれ変わることを前提に、お別れをするというところにフォーカスしたほうがいいんじゃないかと思ったんですね」

——そもそもBOMIちゃんの人生を考えたら、これまでいくつかの局面で区切りを付けてるじゃないですか。生い立ちにしてもそうだし、シンガーを志してからも名義や音楽的なスタイルを一新してきたバッグラウンドがあって。今回のタイミングもそうですよね。

BOMI「うんうん。ひとつ言えるのは、私は出自も含めて根無し草だと思うんですよ。あとは、そのときどきの人生の流れだったり感覚があって、いつも嘘をつきたくないと思ってる。嘘をついでまでやりたいことなんてないなって今あらためて思う。自分ではなんか違うなと思っても、何かを優先してそれを見ないようにすることってあるじゃないですか。その状態に入っちゃうことって今までもあったんだけど、そうなると自分が発揮できないんですよね。ずっと同じ場所にいるのって、ある意味では温かいし安心もするんですけど、私の場合はどうしても『もっと、もっと!』って思っちゃう。もう、そういう性格だから(苦笑)」

——でも、今回はそういうバックグラウンドやパーソナリティも等しく音楽化できてるじゃないですか。

BOMI「私ってたぶん崖っぷちにある状態のときのほうが真に輝くんだなって思うんですよ。それも問題あるなって思うんですけど(笑)」

——今、BOMIちゃんはすごく女性的な腹の括り方ができてると思う。

BOMI「そうかもしれないですね。次に劇的に自分が変わるとしたら、子どもを産むしかないと思う。結婚じゃ変わらないと思うんですよね。今の自分の考え方や癖って強固に形成されてしまったものだから、自分でコントロールできない存在と状況が現れないと変わらないと思いますね。子どもって自分でコントロールできないじゃないですか。そのときにまた全然違うスイッチが入る作品ができるのかなって」

——最後にここからの展望を語ってもらえたら。

BOMI「私が目指す先は、やっぱりロックじゃなくてポップですね。最近思ってるのは、チャーチーズまできれいになりすぎず、ちょっとスカイ・フェレイラのようなダーティーさ込みの、あいだのポップミュージックを作れるとおもしろいんじゃないかなって。3月にレコ発ライブがあるんですけど、それまでに1曲作って、ここからの方向性をお客さんに見せることができたらいいなと思ってます。だから、ホントにレコ発ライブには多くの人に来てほしいです」

 

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BOMI

『BORN IN THE U.S.A.』

発売中

 

BOMI

2012年6月、ミニアルバム「キーゼルバッファ」でメジャーデビュー。芯の通った繊細な歌声と、緻密に積み上げた洋楽ライクなトラック、都会に生きる女の子の日常を鋭角に切り取るリリックが注目される。これまでにフルアルバム1枚ミニアルバム3枚、EP盤を1枚リリースしている。2015年1月21日に「BORN IN THE U.S.A.」をリリース。3月には東阪リリースイベントも決定している。

http://bomibomi.com/

 

撮影 中野修也/photo  Shuya Nakano

文 三宅正一/text  Shoichi Miyake(ONBU)

編集 桑原亮子/edit  Ryoko Kuwahara

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