──だからかもしれませんが、リミックスというよりも仮想的なセッションのように感じました。
大野由美子「実は半分以上のリミックスが私たちの制作と同時進行だったいう(笑)。ほとんどのリミキサーたちが曲の最終的な仕上がりを知らないで、ネタだけでリミックスしてくれたんですよね」
シュガー吉永「まあリミキサーのほとんどの方が原曲をあまり気にしないから、素材だけで作業しちゃいますし。そういえばベストの時もアドロックにヴォーカルだけちょうだいって言われた(笑)」
──はっとさせられたリミックスは?
ムーグ山本「ぼくは石原(洋)さん。びっくりしましたね。彼も原曲からかなりかけ離れたリミックスをしてくれて」
シュガー吉永「でも私、石原さんには全トラック渡したよ(笑)。全部渡したのは石原さんだけ。そしたら2つくらいしか使っていなかったという(笑)」
大野由美子「私はまりん(砂原良徳)かな。音が良すぎ。びっくりしちゃった。内容も最高だったし」
シュガー吉永「石原さんも大好きだけど、私はVAROかな。台湾の女の子ギタリスト、ワンティンを中心としたエレクトロニカ・ユニットなんですけれど、最近彼女はテクノDJもやっていて。リミックスの話をしたら、私最近はテクノだけれどVARO時代のそういうオルタナな音も入れられなくはないけれど、どっちがいいって?言われて、それはもうお任せでと返したら、ちょうどその中間点くらいの仕上がりで送ってきてくれたんです。気にしてくれたみたいで、うれしかったですね」
──それにしても過去最高の参加アーティストの数ですよね。
大野由美子「リミックスも含めたらそうですね。意図していたわけじゃなく、自然に増えていった」
シュガー吉永「でも、最後は本当に時間がなくて夏に出せるか、出せないかという状況だったんですが、フジロックも決まっていたからリリースは死守しないといけなかった。もう無理、伸ばせないというところまで引っ張る中、思いついたらどんどん声をかけていった。でも、それがいい結果になったかもしれませんね」