——及川さんと山本さんはこの姉弟を見ていかがでしたか?
及川「楽しかったですよ。正直、自分の出番じゃない部分はただ観客として楽しませてもらいました」
山本「なんていうか、あまり似てないのに本当の姉弟に見えるなぁって思いましたね。カメラが回ってない時もずっと喋ってて。それがそのまんま画面に出てると思います。現場では西田さんのサポートもあって楽しく過ごさせていただいたんですが、この二人の関係には入れないような感じはしました(笑)」
及川「ああ、そうだね。だからさ、毎回ゲストを呼んで『男はつらいよ』シリーズみたくすればいいよね(笑)」
向井「監督も言ってましたね、それ(笑)」
片桐「じゃあ山本さんは初代マドンナだ(笑)」
——より子さんみたいな女性を男性から見ると、どんなところが魅力だと思いますか?
及川「より子さん、絶対飲み友達になれるよね。それ以上は進まないかもしれないけど……」
片桐「そう! それは現場でも聞いたんですよ。やっぱりあの昭和的なファッションが。女性は好きっていう人もいるんですけど、男の人は興味ないですよね?って聞いたら、あんまりないかもっておっしゃってて」
及川「だって、そもそも論として、女子がかわいいと思うものと男子がかわいい思うものって違うから」
片桐「そうそう、そうなの。だから逆にそう言われて、より子さんのキャラクターに納得がいった感じがしました」
及川「だから男性としても、行きつけの常連客だったら楽しいだろうなっていう(笑)」
——向井さんはいかがですか?
向井「僕はもう、異性というより姉として見ちゃうので。起きたら台所に立っている人というか。そういう意味ではすごく魅力的だと思いますし、家庭的な一面を僕は一番近くで見ているので家族としてはすごくいいと思いますけど、恋愛としては……」
片桐「朝起きた時、隣に寝てたらどうなの?」
向井「それは……肉親だったらいいと思う(笑)」
片桐「そっか。そっか」
向井「やっぱり、姉弟っていう関係性でやっちゃうと、どうしても女性として見られないですよね」
及川「僕たちも当然、内面的な美しさ、人の良さっていうのはわかってるんですよ。その上で恋愛対象になるかならないかっていうのは…….やはり企業努力というものが必要なんです(笑)」
片桐「そこがより子さんというか、自分も含めてですけど、悲しいところですよね」
山本「私、思うんですけど、より子さんって誰かと付き合ったら、彼女じゃなくてお母さんって感じになっちゃいそう」
片桐「そうだね」
向井「男性にとっては、刺激というより、安心しちゃうかもしれないですね」
山本「男の人はきっと、もっと頼りにしてほしいって思っちゃいますよね」
及川「それが長女の責任感だよね。無理してでも頑張っちゃうの」
片桐「そうそう。そういう意味では私自身も本を読みながら、イタいイタいイタい……って感じがありましたよ。より子さんみたく、報われないのに一生懸命やっちゃうみたいな。世話を焼いたことが裏目に出ちゃうことってありますもんね」