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Blonde Redhead『Barragán』インタビュー

―前作の『ペニー・スパークル』から4年の時間が空いたわけですけど、たとえばその間に聴くレコードのタイプや音楽の趣味が変わったりしましたか?

アメデオ「うーん、そうでもないかな。僕が思うに……『ペニー・スパークル』なんかは、バンドにとって本当に大きな、劇的な変化だと思うんだ。だからこそ、できるだけそこから遠くに行きたかったというか、それまでずっと『ペニー・スパークル』の世界にどっぷり浸ってたわけだからね。今度は、それとはまったく違う体験をしてみたかったんだ。この4年間でよく聴いてきた音楽については……音楽は普段からいろいろ聴いているんだけど、音楽にだけ影響を受けてるわけじゃないんだ。むしろ、そのときどきに自分たちが置かれてる状況によって変化することのほうが多いというか……自分たちが今いる空間だったり、どこで何をしているのか、2人で演奏してるのか、3人で演奏してるのかにもよって変化してくるし、あるいは1人のときでもね。本当に予期せぬところにランダムに影響が現れるというか、自分たちのほうでコントロールできるものじゃないんだよ。どんなに一生懸命考えて、それを実現しようと思っても、なかなか思い通りの方向にいかないことのほうが多くて。ただ次の曲を書く前に少し距離を置く必要があったんだ。いつも昔の曲をやりつつも、新しい曲をやって、新しい曲を試してみては、また昔の曲に戻るという感じで作業してて……だから、前にやったことを繰り返したくないっていう気持ちと同時に、何か新しいもので自分たちをワクワクさせてくれるものがないのか探ってたんだよね」

―最初にうかがった “No More Honey”もそうですけど、“Barragán”からもフィールド・レーディングスっぽい音が聞こえてきますよね。風で草木が揺れる音だったり、土を踏む音だったり。これってどんな場所で録音されたものなんですか?

アメデオ「“Barragán”は野外で録音したんだ。ミシガンにいるときにギターを弾きながら……屋外の何もない場所で。それとフィールド録音もしてるんだ。“Seven Two”とかね。“Seven Two ”はイギリスの庭で録音されたんじゃないかな……誰かの足音が聞こえたりしてね。ただ、今回のプロデューサー(※ベックやレディオヘッドを手がけたドリュー・ブラウン)がフィールド録音が好きで、いつもテープ・レコーダーを持ち歩いて、まわりの音とかアイディアを録音してたんだ。それにエフェクトをかけたり、いろいろ手を加えて、それぞれ違う感じに仕上げてるんだ」

―ちなみに、そのイギリスの庭ってどんなところなんですか?

アメデオ「いや、効果音だけだよ。曲自体はスタジオでレコーディングしてて、その上にいろんな場所でレコーディングした音を後から付け足してるんだよ。プロデューサーがすでに録音してきた音を使ってるから。外からいろんな音を拾ってくるのが好きで、膨大な音のコレクションがあってね」

―それと、8曲目の“Defeatist Anthem (Harry and I) ”――“敗北主義者のアンセム”ってタイトルも目を引きます。これはどんなふうにして生まれた曲なんですか? 

アメデオ「どうだったっけ……えーっと、まあ、僕たちが曲を書く場合って大抵がそうなんだけど、僕が最初にギターを弾き始めて、それで……そう、さっきの“Cat  On Tin Roof”もそうだけど、この曲もすんなり出てきたんだ。僕が最初たしかギターを弾いて、残りが勝手についてきたっていう感じで。ときどき、何かに取り憑かれたように夢中になって、自分でもわけのわからぬまま手だけが勝手に動いて、意識の遠くで『あれ、遠くで何か音が鳴ってるなあ』みたいな感じにね」

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