―で、“スーパー・ラヴ”もそうですが、それと前後する形で発表されたイギー・アゼリアやダニー・ブラウンとのコラボとか、“ブーン・クラップ”とか、去年のアルバム『トゥルー・ロマンス』以降さらに、あなたの音楽の志向がディープになっている印象を受けるのですが。
Chali XCX「そうね、自分の音楽が変化してるって感じる部分はあるけど、自分から意識して変化したってよりは、年齢と共に自然に変化してきたって感じじゃないかな。それと、“アイ・ラヴ・イット”(※アイコナ・ポップとのコラボ)の成功のおかげで、ソングライターとしても自信がついたってこともあるのね。『トゥルー・ロマンス』の作業を通じて、自分はまだまだ成長過程にあるんだなってつくづく実感させられたというか……まだ完全に大人になりきる前に音楽業界に入ってしまったことで、どこか不安定なとこがあったし、ファーストを作った頃には人からどう思われるのかすごく気にしてたのね。何がクールで、何が正しいのか間違ってるのか、人の意見が気になって仕方なかった。“アイ・ラヴ・イット”は、そんな時期に作った曲で……完全に自分ひとりで、ホテルの部屋で、何も考えずに30分くらいで書いた曲なの。その曲がヒットしたことで、ソングライターとしてものすごく自信がついたし、人からどう思われるかなんて気にせずに、ただ自分自身であればいいんだって思えるようになったんだ」
―いま「成長過程」って話されましたけど、“ブーン・クラップ”について手応えはどうですか?
Chali XCX「自分が今まで書いた中で一番ポップな曲だと思う。すごくシンプルにロマンスについて歌い上げたラヴ・ソングで、ものすごく深く恋に落ちる経験について、それを祝福するような曲にしたかったの。みんな誰でも人生で一度はそんな恋を経験したことがあるでしょう? そう……愛について、ものすごくシンプルに歌ってる曲」
―あなたのように、ポップ・シンガーでありながら、コアなダンス・ミュージックを聴いているリスナーも惹きつけつつ、それでいてファッション・アイコンとして注目を集めているアーティストって、いまのイギリスにはあまりいないのかなって思うんですけど。
Chali XCX「たしかにそうかもね。片足をポップに、もう片方の足をインディに突っ込んでるような気がするし、そういう立ち位置にいるのが自分でも気に入ってる。私としてはただ最高にクールな音楽を作りたいだけなんだけどね。ただ、不思議に思われるかもしれないけど、自分は最初からポップな音楽を作ってきたつもりなんだよね。ファーストですら自分にとってはポップだし……たとえ今の意見に共感してくれる人が少数派だとしても(笑)。私自身は、クールなインディー・アーティストみたいに思われたいと思ったことは一度もないんだよね。いつでもポップ・ミュージックを作ってきたつもりだし……それで今、自分の作ってるポップ・ミュージックがコマーシャル的にもまあまあ受け入れられてるっていうのは、わりと自分にとってやりやすい状況なのかもと思って。私としては、いつでも自分の頭の中にあるアイディアをそのまま形にしてきたつもりだし、それが世間一般に受けようが受けまいが、自分のやりたいことをやってくだけだから」