——Negiccoは、メンバーも一緒に演出を考えたりするんですか?
Megu「ほとんど自分たちですね。昔からNegiccoを続けていく上で、先生がいなかった時代にはずっと自分たちで振付をしてきたんですよ。歌以外はほとんど自分たちでプロデュースしてきてたので、本当にT–Palette Recordsさんから色んな方に衣装を用意していただいたりとかヘアメイクさんをつけていただいたり、色々相談もさせてもらえて嬉しいんですけど、それ以外全部自分たちでやってるんです。今でもワンマンのセットリストは全部組んだり、衣装をここで着替えようというのも自分たちでやっています」
ハマ「自分たちの考えがあって動かしてきたという経験があるから、意地でも全任せにはできないじゃないですか。その責任感があるからこそスタッフとも円滑にいくし、折り合いがすごく上手くいってるんだと思う。“一緒に作ってる感”がすごくある」
——会議とかするんですか?
Megu「はい、しますね」
ハマ「『田島貴男って誰!?』ってならない?(笑)」
Megu「いえいえいえ(笑)……セットリストも早く決まる時は決まるんですけど、全然決まらない時は4時間くらいファミレスで会議してて」
ハマ「へえ~! 見習わなきゃねって思いますね、本当に。Negiccoは出演先の型があんまりないじゃないですか。俺らはいわゆるバンド勢が出るイベントばかりだけど、長く活動を続けてきて、それこそ温泉でもやったり、そういう異種格闘技戦みたいなところでやってきたキャリアもセットリストに関して影響があるんでしょうね」
Megu「地元のお祭りとかは、小さい子とかお年寄りの方も観に来るので一緒に歌えるような楽曲を組んだり、すごい方が出るようなイベントの時は楽曲を聴かすような感じでショートショートショートで繋いだり。connieさんにメールを送って、こういう感じでお願いしますって電話したりとか、ここでMC入れて、そこではBGM入れるとかやり取りして」
ハマ「自己プロデュース力がないとできないですよね。しかも3人で、集団としてできてる。例えば小西さんからデモが届いたらみんなで聴くんですか?」
Megu「そうですね。小西さんの時は、connieさんがピチカートファンだというところから始まっているんですけど、楽曲をいただいた時は、正直『この曲をNegiccoが歌っていいのかな』って感じだったんですよ。”アイドルばかり聴かないで”って言ってるわけだから。でもconnieさんが『Negiccoだから歌えるんだよ』って言ってくださったんです。今までずっとアイドルで頑張ってきてるからディスに聞こえないよって」
ハマ「あれはNegiccoが歌わないと意味がないですね。面白半分で言えない言葉じゃないですか。でも本当に素晴らしいなと思ったし、何がいいって『ざんねーん』の声のトーンが本当に素だなって感じが刺さって。もちろん『じゃあ、ざんねーんって録りますよ』って録ったと思いますけど。実際、どういう反響がありました?」
Megu「最初聴いた時は、正直、みんなびっくりしたと思うんですけど、『Negiccoが笑顔で歌えば全然ディスに聞こえないし、Negiccoが歌ってくれて良かった』って周りのみんなが言ってくれて。あと、小西さんのレコーディングも、すごく緊張して歌わせてもらったんですけど、テイク2回くらいで終わったんですよ。下手さ加減みたいなのを残したいからって言われて、ほとんど編集なしで、下手な状態で録っちゃって」
ハマ「いや、全然下手だとは思わない。ベボベの小出さんも、『昨今のアイドルカルチャーの中で一番歌が歌っぽい。その歌の良さがちゃんとあって、あの楽曲は反則技だから。いいという以外の感想が絶対出てこないでしょ!』って言ってました。しかも最終的に『Negiccoにしてね』って終わり方じゃないですか。あれで全部回収されるんですよね。あれをアイドルが言って、何になるんだろうって思って聴くんだけど、もうあんなことされたらNegiccoにするしかないっすよ。つくづくすごい曲だなあと。曲もかっこいいし、あんなイントロはカーディガンズ以来ですよ(笑)。あれは本当に衝撃でした。Negiccoしか歌えないって言葉は本当にその通りだと思います」