幣誌でも写真連載『IN UR ROOM』をスタートする写真家、永瀬沙世。ドキュメントのリアルさと白日夢のような浮遊感を併せ持ち、見るものの意識を惹き付ける彼女の写真は海外からも注目を集めている。今秋、国内外のパブリッシャーから精力的にフォトブックを数々リリースしてきた彼女の5冊目となる写真集『PINK LEMONADE』が発売。ハワイのワイキキ、東京郊外や都心を舞台に2年間にわたり制作されたこの作品には、淡いピンクの髪、差し込む光、揺れる風、美しい装飾物と、様々なロマンティックな情景がありながら、淡々と時に獰猛に被写体である女性を捉える永瀬の視線を感じることができる。独特の距離感で撮られた写真群は、甘い色で私たちを誘いながら、口にするとその刺激に少し驚かされるピンクレモネードのそれにとてもよく似ている。