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『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち』登山家デニス・ウルゴ&ドン・ボウイフインタビュー

アンナプルナ南壁:サブ1

9月27日公開のドキュメンタリー映画『アンナプルナ南壁 7,400mの男たち』で、実際に山岳救助に携わったカザフスタンの世界的登山家デニス・ウルブコ氏と、カナダ出身で山岳救助隊メンバーとしても活躍されるドン・ボウイ氏から日本の公開に合わせてインタビューが届いた。

 デニス・ウルブコ写真2

ーー数あるヒマラヤの8000M峰の中でもアンナプルナ南壁の難しさというのは、どのような点にあるのでしょうか?

デニス・ウルゴ「アンナプルナ南壁は大変難しいルートです。東峰から登る道は整っているように見え、ほかの8,000m級のよくあるルートと同じに見えますが、決定的に違う点があります。それは非常に長く続く東の尾根です。この尾根は標高7,500m地点で7キロも続くのです。これは大変に時間と体力を消耗してしまうのです」

ーーデニス・ウルブコさんご自身のアンナプルナ南壁のご経験について教えて下さい。

デニス・ウルゴ「私自身はアンナプルナに関しては、2004年北からフランスルートで登頂しました。過酷な下山で大変危険な目にあいました。この映画で描かれている状況はその時と似ており、暗闇と霧、そして雪崩とクレバスへの細心の注意が必要でした。一歩一歩が、体力と精神の弱さとの闘いでした。危険な場所で体を奮起し、ブレーキをかけながら歩いていく。それは、まさに死と背中あわせのレースでした」

ーー救助に向かった登山家たちの行動と連携は無駄がなく驚きました。どうしてこのような勇気ある行動がとれたのでしょうか?

デニス・ウルゴ「私達登山家は、どんな場合でも一緒です。なにか特別なことをしたわけではないのです。私達には何か遺伝のようなものがあるのだと思います。危険にもかかわらず、人は時には全く知らない人でも助けようとします。それは自発的な行動です。それはまったく疑いないことだと思います。イナキは助けを必要としていた、だから向かったのです」

ーーデニスさんを難易度の高い山に着き動かす原動力とはどこからくるのでしょうか?

デニス・ウルゴ「始めに言いたいのは、全ての登山が危険なわけではありません。もちろんきちんとした装備をして安全な登山をしたいという気持ちがあります。しかし魂の深いところ、なにか原始的なところで、その気持ちがやってくるのです。過酷なアタックでは、命を十分に感じることが重要です。そして私は声に従うのです。私の熱い気持ちは、過酷な挑戦で山を登ることに向かっています。それを認識することは難しいです。真の戦士であること、という気持ちや個人的なエネルギーだけで目標を達成することが、前向きな思考にさせるのだと思います」

ーー 映画の見所を教えて下さい。

デニス・ウルゴ「私にとってこの映画の1番重要なシーンはイナキの言葉 ‟人生は素晴らしい“です」

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