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赤い公園『猛烈リトミック』インタビュー 前編

akaikoen

 

赤い公園のセカンド・アルバム『猛烈リトミック』では、その情報が発表されるや大きな反響を呼んだように、彼女たちが「音の先生」と慕うプロデューサー役の存在が多くの部分でとても重要な役割を果たしている。亀田誠治、蔦谷好位置、そして蓮沼執太といった当代きってのサウンド・クリエイターが、彼女たちとがっぷり四つに組むかたちでアルバムの制作に参加。これまでのセルフ・プロデュースを貫いたアプローチから一転、開放的な環境で制作されたその楽曲群は、赤い公園らしいエッジやフックを残しながらも、ポップネスに磨きがかけられ、それこそJ-POPやロックといった垣根を超える「懐の深い音楽」へと大きな飛躍を遂げた。

先行配信された“サイダー”や“NOW ON AIR”を筆頭に、シングルの“風が知ってる”や“絶対的な関係”、さらに“TOKYO HARBOR”ではフィーチャリング・ゲストとしてKREVAを迎えるなど、見事にキラーチューン揃いの内容だ。そうした背景には、バンドの作詞作曲を手がける津野米咲が近年、ご存知SMAPの“Joy!!”や南波志帆への楽曲提供を通じて創作の場を広げている影響もあるのかもしれない。その一方で、“牢屋”や“木”といった津野セルフ・プロデュースの楽曲がアルバムの中でしっかりといびつな存在感を示していて、じつに心憎い。

『猛烈リトミック』は、赤い公園による最強のポップ・アルバム? いや、最高のポップ・ミュージック・アルバムだろう。この無敵感は、なんだかとても眩しい。

 

―『猛烈リトミック』は、デビュー・アルバムの『公園デビュー』のハードルを越えて、さらにシングルや配信曲が煽った期待に応えた、見事なセカンド・アルバムだと思います。作り終えて、手応えはいかがですか?

津野「手応えは……あります。なんか、すっきりしたって感じですね、できて」

―その、すっきりしたって感じは、前作の『公園デビュー』以上?

津野「そうですね。まあ、作品としてのベクトルがぜんぜん違うので、前作以上というよりは、やりたいことに近づいたって感じかな」

佐藤「レコーディングからとても有意義な時間で。一枚の作品を通して、自分が赤い公園で歌う意味とか、私じゃないとダメだな、というのが確認できたアルバムになったので、すごく大事な作品になりました」

―『公園デビュー』から一年でのアルバム・リリースは、早いペースですよね。早く作りたかったのか、それとも、曲がたまったからおのずと、って感じですか?

津野「曲はありました。今年に入って2月と3月に2カ月連続でシングルを出して、それから夏にも出したかったんですけど、なんかちょっとうまくいかなくて。で、『配信だったらどうだ?』って話になったんですけど、だったら、それが入ってるアルバム出したいなあ――みたいな感じでしたね」

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