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フィリップ・ガレル『ジェラシー』インタビュー

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舞台俳優のルイ(ルイ・ガレル)は、クロチルド(レベッカ・コンヴェナン)と愛する娘シャーロット(オルガ・ミシュタン)と別れ、同じく俳優で新しい恋人のクローディア(アナ・ムグラリス)とパリの小さな屋根裏部屋で同棲生活を送っている。しかし俳優業に行き詰ま り貧困生活に嫌気がさしているクローディアの心のうちに、ルイへ の嫉妬の炎がともり始める。ある晩彼女はひとりの建築家と出会い、仕事の話をもらう。新しい道を進もうとするクローディアに対し、今度はルイの心に嫉妬の炎が燃え移る。やがて彼らの家で一発の銃声が響き渡るーー。孤高の映画作家、フィリップ・ガレルによる新作『ジェラシー』 が遂に完成。

 

——なぜ『ジェラシー La Jalousie』というタイトルなのでしょう?

フィリップ・ガレル「脚本執筆期間は6カ月だったが、そのあいだずっと原稿にはこのタ イトルが記されていた。原稿をベッド脇の小机に置 いて、このタイトルと一緒に毎晩眠り、毎朝起きていた。だからこれをそのまま使うのもありだと思ったんだ。ある日、『不和 La Discorde』と名付けようともしてみたが、すぐにこの単語は却下した。あるいは、私がこの単語に拒絶されたともいえる。「嫉妬(ジェラシー)」というのは『不和』よりひどい状態だ。だが同時に、『嫉妬(ジェラシー)』とは誰もがかつて感じたことのあるなにかであり、誰もが罪悪感を感じるもので、さらにはその正体を解明したいと思わせる側面もある。嫉妬とは謎だ。誰もがそれを相手にしたことのある、ひとつの謎だよ」

— この作品にはふたつの章があります。「私は天使を失わなかった J’ai gardé les anges」と「一触即発Le feu aux poudres」です。

フィリップ・ガレル「章立てはよくやることだ。撮影の際に役立つからだ。その後、章立てを取っ払うかどうか考えるわけだが、たとえそれが映画的ではないとわかっていても結局は残したくなってしまう。これは作品の出発点を忘れずにいるためのやり方なんだ」

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