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Chara×アヴちゃん(女王蜂)×小林祐介(THE NOVEMBERS)“オルタナの女王決死戦”鼎談(後編)

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――確かにふたりとも“引き受けて”いますよね。みんながふたりに色んな想いを託して、それを全部背負って代わりに血を流している感じがします。

アヴちゃん「なるほどね。でも私が女王蜂のファンだったら、血まみれになってて欲しいんじゃないかな。ボロボロになってて欲しい。人生をどう生きるかは自分次第で、どうやって生きようかって考えた時、贅沢に時間を使いたいと思うし、血まみれになるのもすごく楽しいんじゃないかと思います」

――Charaさんは?

Chara「いやもう、そこは完全に抜け出したよ。そうだよね?」

小林「分かんない(笑)」

Chara「いつもね、小学生に分かりやすく言うとするなら、“一生懸命やれ”ってことなんだけど、それが血まみれってことか?」

小林「うん。それに、血まみれ状態から抜け出したり、次のフェイズに行くには、2パターンしかない。血を流さない方法を考えるか、硬くなったがゆえに血が出なくなったか。大人になってつまらなくなる云々というのは、皮膚が硬くなって瑞々しさを失ってゆくことなんだろうけど、毎日リセットして、1日1日を新しい自分で生きている人は、瑞々しさを失わない。表現者には、そういう不思議な時間軸で生きている人がすごく多くて、Charaもそう。いつ見ても瑞々しくて、お母さんみたいな大きい存在だったり、少女みたいな危うさを持っていたり。それに、男性が思う女性像と、女性が思う女性像は違うんだけど、その両方を持っている感じが、僕にはすごくミステリアスに思えます」

Chara「アヴちゃんのほうが私よりミステリアスだよ!」

アヴちゃん「私、あけっぴろげだと思うけどなあ」

小林「あけっぴろげだけど、そうじゃない印象を与えるところがミステリアスなんですよ」

Chara「私もあけっぴろげだって言われたことがある。アヴちゃんの場合とはまた違うニュアンスなんだろうね。自分では“もっと間口を大きく”と思っているんだけど、Charaという存在はこう、全部開いていてどこから入っても分からない――みたいなことらしくて、なるほど!と思った。それに、やっぱり言葉を使ってるからね。自分が出した言葉に関してはすごく責任を感じるな。そこに情熱があるから」

アヴちゃん「分かる! 言葉や過去って、すごい財産だなあと思います。未来云々とか、“言葉じゃなくて”とか言う人もいるけど、言葉と過去くらいしか残るものはない。だから、今は美化することも簡単にできるし脚色もできるけど、極力日記をつけるような気持ちで曲を書いてます」

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