猫が大好きというリンダdadaによる連載「好きゃっと」が登場。肝いりのタイトルもさることながら、猫目線で猫の魅力を伝えるべくリンダdadaが考え抜いた企画の数々が月1ペースで更新されていきます。初回はいかにして彼女が「好きゃっと」になったのか、その歴史と愛用の猫グッズをご紹介。
猫を飼うってのは、まあ、結婚みたいなもんやね
ー 連載第1回目ということで、今日はリンダdadaさんの猫好きの源泉を辿れればと。最初の猫との触れ合いはいつ頃でした?
リンダdada「昔マンションに住んどって、うち5階やってんけど、1階の田中のおっさんが14匹くらい飼っててん。マンションやから飼ったらあかんし、家族4人で住んでてめっちゃ狭いのに、鳥もおって、最終的に犬も飼ってた(笑)。マンションやから捨てられたような猫もいっぱいおって、近くの民家にもおったし、猫はちっちゃな時から身近におった。よく保健所に連れて行かれるのをかくまっててんけど、大人に見つかって捕られたりしてた」
ー そんなに猫好きなのに飼ってないのはなぜ?
リンダdada「実家では飼ってたよ。でも飼うっていう行為より、遊びにきてくれたらいいなって」
ー ああ、主従というより同等の立場で。
リンダdada「そう。飼うのもいいねんけど、ある程度縛りはあるし。でも飼えたらいいなとも思うし……。まあ、結婚みたいなもんやな。うちを必要としてくれるなら『おいでよ』って扉を開けるし、『ほんまはお前なんておらんくってもいいねんで、俺は一人でもいいねん』って感じやったら『ごめん、どうぞどうぞ』って。でもたまに『来たったぞ』っておってくれたら嬉しい、みたいな。もちろん来てほしいけど、用事が済んだらどこか行く、みたいな自然な態度でいてほしい。媚びないところがいい。人間と同じで、猫は自分っていうのを確立してるからいいねん」
ー 今、そういう関係を築けてる猫っているんですか?
リンダdada「DMBQの増子さんの所に、ガイアっていう猫がいて、その子とはすごい仲良し。なんならその子のフンを流したりしてる(笑)」
猫を見つけては歌ってた、思いが通じるかなって
ー (笑)。今までで忘れられない猫エピソードは?
リンダdada「結構あるよ。犬も猫も小さい時から好きやってんけど、猫が好きすぎて、小学生2年くらいの時、猫が鳴いてる声につられて民家と民家の間になるすごい狭い隙間に入っていって。で、猫を見つけて“猫と私”みたいなテーマでずっと歌っててん。15分くらい歌ってて、気が済んで出て行こうとしたら隙間につけられてた扉が閉められてて出れんくなってて、民家に助け求めようにも裏手やったから声も届かんし、『気付いてもらえんかったら死ぬ』ってすごい恐怖で。トタンの扉で、小学生やからのぼろうにものぼれんくて。でも下にちょっとだけ隙間があって、なんとかそこから這い出て帰れた。その時はさすがにトラウマみたいになって、しばらく猫が嫌いになったなあ。好きやねんけど引きずって。でも気がついたら根本は猫好きやから大丈夫になってた。ほんまあの恐怖心ったらなかったなあ」
ー それは小学生にとってはかなり怖い体験……。よくトラウマ克服しましたね。あの、ところで猫に歌ってたってどういうことですか?
リンダdada「歌ったら振り向いてくれると思っててん(笑)。歌はそういうものやと思ってたから、授業中とかもよく歌っててん。片思いの子とかに向かってフンフンって鼻歌で歌ってた」
ー それ、思いは通じたんですか?
リンダdada「うーん、通じてない(笑)。でも気持ちは伝わったはず」
ー 思いを伝えるための歌って大正解だけど、確かに小学生にはちょっと通じないかも(笑)。歴代の猫の中でスペシャルなのはやはり飼ってた猫ですか?
リンダdada「そうやね。4匹おってん。団地の時も、ほんまは飼ったらあかんけど、拾った猫を飼ってくれる人探してたりしてたなあ。ネズミ捕りに引っかかった猫を助けて洗ったり。猫も痛いし、水も嫌いやしで発狂しそうになってて。その子は近くのマンションの人が飼ってくれた。それが高校1年くらい。あと、アベちゃんって映像やってる友達の飼ってる猫がマジでかわいくないねん! その子も、初めて猫でかわいくないって思ったっていう意味ではスペシャル(笑)。『ウギャーオ』って鳴き声で、『ウワーきたっ! 触ったら引っ掻くからあかん!』って逃げるくらい凶暴。もう誰もコントロールできへんねん(笑)。元々飼ってた人が引っ越すから飼われへんくなったっていうのをアベちゃんが引き取って。猫アレルギーやのに(笑)。猫おるって楽しみにしていったらガタイのいい、小型犬くらいの角張った猫がおって。忘れられんくらい強烈やったなあ(笑)」
ー (笑)。猫テイストって、ファッションにも取り入れたりしてます?
リンダdada「猫は意識してるな。衣装で首にリボンつけてるのは猫から来てる。首輪もつけてたよ。猫耳はちょっと違うし、猫柄も、猫によるけど。色々グッズとかもこだわりがあるねん。『macadia』ってお酒があって、それの猫のストラップはかわいかったな」
ー 写真の猫ポーチも愛用のグッズですか?
リンダdada「あれは最近手に入れてん。9、10年前くらいに友達が持ってた猫バッグがものすごくかわいくて、その時飼ってた猫そっくりやってん。どこのブランドか聞いてんけど、その時はわからんくて。ずっと欲しかってんけど、あんなかわいいの売ってくれとはなかなか言われへんし。でもこの間ようやく聞いたら、『1週間前にフリマで100円で売ったわ』って言われて。ブランドとか覚えてへんの、って必死で聞いて探したら、日本に輸入してる店があってようやく買えた。10年くらい片思いしてたポーチやねん。白いほうの猫が、昔飼ってた猫にそっくりやの」
ー じゃあグッズを買うときのポイントはその猫の顔によるわけですね。
リンダdada「うん。個人の感性やから説明できひんけど」
猫目線で猫に迫って魅力を伝えていきたい
ー ちなみにマンガとかで好きな猫っています?
リンダdada「『きょうの猫村さん』は、あの佇まいが好き。『美少女戦士セーラームーン』とか『魔女の宅急便』の猫もかわいい。しゃべる猫は憧れるね。『ぼくの地球を守って』に出てくるキャーとかもおったらいいなって思う。りぼん系のマンガで、『ねこ・ねこ・幻想曲』も見てたな。最近LINEのスタンプにもなってた、『うちのタマ知りませんか』もなつかしい!って。なめ猫も好きやなぁ」
ー おお、思いのほか沢山出てきましたね。猫モチーフのマンガって結構多いもんですね。さて最後に、この猫連載にあたってどういうことしていきたいですか。
リンダdada「リスト作ってきた!」
ー えっ、すごい! ありがとうございます。ふむ、猫の毛でなにができるかって実用的な企画ですねえ。
リンダdada「猫好きの人の悩みが、抜けた毛やから、それで何か作れないかって思って」
ー 他の企画もすごい独特ですねえ。
リンダdada「よくある猫の連載とは違う感じでいきたくて。飼い主は重要じゃないねん。人より猫。猫目線で猫に迫って、魅力を伝えていけたらいいな。今日はルーツを辿る的な内容だったけど、次からは行動に移していくからよろしくNE♡!」
*写真はリンダdada秘蔵の猫グッズと、親交の深いガイヤ