HAPPY。なんとも単純明快なバンド名でありながらしかし、この1ワードこそ彼らが鳴らす多幸感に富んだロックミュージックの核心を端的に言い表している。京都のルーラル地域で生まれ育った幼なじみの5人組が、60年代のサイケデリックロックに魅了されてからすべては始まった。ロック史の時空を超えて、あるいは現行の海外インディシーンとの時差もまったく感じさせず、彼らはまるで本質的な自由しか存在しないユートピアを築き上げるように、輝かしくまばゆいポップミュージックを響かせる。1stアルバム『HELLO』から本格的に幕を開けるHAPPYの特別な物語。多くの人が共有するようにと、強く願う。
——上京してどれくらいですか?
Chew「半年ですね。去年の12月に上京して」
——東京はどうですか?
Alec「楽しいっすよ。ライブしに来てずっとそのままおる感じで(笑)」
Ric「うん、ずっと延長線でやってる感じ。でも、ふとしたときにニュースの天気予報とか見ると東京におるんやなって実感する(笑)」
Chew「そうやな。俺らの地元は京都の北部にある日本海側の綾部市っていうところで」
Alec「兵庫寄りっすね。自然だらけ」
——音楽をはじめとするカルチャーにはどのように触れてたの?
Alec「地元にはロックのカルチャーとかあんまりなくて。ライブハウスもあるんですけど、ちょっと歳上の人たちが集まってイベントとかを企画してる感じで。そこで高校生のライブとかもやっていて、俺らもそういうライブに出てたりしてたんですけど。でも、どちらかというとロックのカルチャーとかは自分らで探したり、周りの友だちと情報共有したりする感じでしたね」
Chew「うん。俺らと同世代の友だちは音楽好きのやつが多くて。俺らの代はちょっと特殊やった」
Syu「この世代は音楽を聴くのが遊びみたいな感じで。たまたまなんですけど、それがよかったのかなって」