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スパイク・ジョーンズ『her/世界でひとつの彼女』インタビューVOL.2

L1002006

−−ははは!そんな瞬時の発想って、いったいどこから湧いてくるんですか?子供頃の無邪気な発想を大事にしてるとか、そんな秘訣があるんですか?

スパイク「自分のことはよく分からないけれど……心掛けてることと言えば、自分の感じたこと、思ったことに対して常に誠実であれということ。自分の頭の中でこれが良いとか悪いとかいう評価をあまり下さずに、そのままストレートに口にする。そして作品に反映させる。それくらいかな。みんなと全く変わらないと思うよ」

−−でも、人って実際にはいろんなところで自分にブレーキをかけてしまいますよね。 

スパイク「そうかな? 自分の考えを恥ずかしがらずにオープンにすると、より他人との関係性が深められると、僕は思うなぁ。自分の側から率先してさらけ出すことで、人はより親密になれるんじゃないかな。何かの本に書いてあったけど、ふたりの人間の狭間に流れる時間は、一瞬一瞬が“選択”の積み重ねであり、それによって両者の距離は近まったり離れたりするらしいんだ。よくよく考えたら本当にそうだよね。誰かを微笑ませる、本音を聞き出す、なるほどと頷く、えっ!と驚く、目を合わせる、合わせない……。つまるところ、人と人との距離というものは、自分の手で選び取っているも同然なんだよ」

−−それがナチュラルに実践できてるところが凄いです。監督の頭の中に入ってみたいです。『マルコヴィッチの穴』みたいに。

スパイク「ははは! 頭に入ることは許可してあげるけれど、多分、入ったら入ったでガッカリすると思う。『あれ?期待してたけど、神経システムも含めてぜんぶ自分と同じ規格じゃん!!』ってね。些細なことで不安を抱いたりする点も含めて、僕はみんなと変わらない、フツーの人間なんだよ(笑)」

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Photo courtesy of Warner Bros. Pictures

 

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