マラケシュ、グアドループ、ザンジバルなど、異なる海域や大陸を巡り、それぞれの地域の文化や伝統と深く対話を重ねてきた第36回サンパウロビンエナーレのプレイベント「Invocations」は、東京で最終章を迎える。「Invocations」は、ビエンナーレに先立ち、異なる地理的および歴史的文脈におけるアート、文化、社会に関する学際的対話を促進するための会合。
「不気味の谷:ヒューマノイドの情緒性」と題された東京でのイベントは、2025年4月12日から14日にかけて開催され、サウンド、パフォーマンス、トークを通して、人間と機械との複雑な関係を探求する。本イベントは、ジョーダン・A.Y.スミスを詩のプログラムのアドバイザリーに迎え、第36回サンパウロ・ビエンナーレのコンセプトチームと杉山加奈子およびアンドリュー・マークルとの共同企画により開催。会場は、The 5th Floor、草月会館、東京大学駒場キャンパス21 KOMCEE Westレクチャーホール(ACUTと共催)の3箇所になる。
日本のロボット工学者、森政弘によって1970年に提唱された「不気味の谷現象」の概念に着想を得た東京での「Invocation」は、テクノロジーに直面したときに発生する人間の複雑な側面や、アート、人工知能、身体性が交差する場所で生じる問題について考察。このイベントは、人工知能がアートの創作に与える影響、機械の能力や表現力、機械と人間との間に存在する感情的なつながりなどをテーマに繰り広げられる。さらには、この講演では、伝統的な能、禅の概念、自習機能を備えた高度な自律型ヒューマノイドを取り上げながら、ロボット工学の進化と日本の文化・歴史との関係性について議論する。
このイベントは、ボナヴェンチュール・ソー・ベジェング・ンディクン博士の総合キュレーションの下、共同キュレーターのアリャ・セブティ、アンナ・ロベルタ・ゲッツ、ティアゴ・デ・パウラ・ソウザ、特別共同キュレーターのケイナ・エレイソン、そしてコミュニケーションおよび戦略コンサルタントのヘンリエッテ・ギャラスが参加する第36回サンパウロビエンナーレ「すべての旅人が道を歩くわけではない – ヒューマニティの実践」(Not All Travellers Walk Roads — Of Humanity as Practice)の一部を成している。
Invocation #4 – 東京
不気味の谷 – ヒューマノイドの情緒性
日程:2025年4月12日(土)〜14日(月)
入場:無料
イベント参加フォーム:リンク
共同企画:杉山加奈子、アンドリュー・マークル
詩のプログラム・アドバイザー:ジョーダン・A.Y.・スミス
ローカルプロデューサー:岩田智哉
【日程・会場】
※各日程・プログラムによって会場が異なりますので、ご注意ください。
※ 12日(土)のプログラムの参加にはご予約が必要となります。(定員制)
■ The 5th Floor 台東区池之端3丁目3-9 5F
4月12日 16:00-20:00
4月13日-14日 13:00-20:00:スクリーニング・プログラム
■ 草月会館 港区赤坂7丁目2-21
4月13日 11:00-20:00
■東京大学駒場Ⅰキャンパス21 KOMCEE West講演ホール
目黒区駒場3丁目8−1
4月14日 16:00-20:00
【Tokyo Invocations プログラム】
■4月12日(土):The 5th Floor
16:00:開会
16:30:開会の言葉
17:00-17:30 :詩の朗読 – 向坂くじら
17:30-19:30:ラジオ放送のトークセッション Multiple Spirits
16:00-20:00:上映プログラム
[上映プログラムは、4月13日ー14日(13:00ー20:00)にも開催されます]
■4月13日(日): 草月会館
11:00-11:30 :開会の言葉
11:30-12:10 :詩のパフォーマンス 吉増剛造 マリリア
12:10-12:30:リスニングセッション セシリア・ヴィクーニャ
「Rain Dreamed by Sound: Reading Theresa Hak Kyung Cha」
12:40-13:25 :レクチャー・パフォーマンス 中井悠
14:30-14:45 :Multiple Spiritsによるインターベンション
14:45-15:45:「能、テクノロジーそして情動性」に関する対話
登壇者:神谷幸江、毘堂、渡辺志桜里
15:50-16:05 :詩の朗読 永方佑樹
16:20-17:20 :食のワークショップ 岩間朝子
17:25-17:55 :Multiple Spiritsによるインターベンション
17:25-17:55 :レクチャー・パフォーマンス 荏開津広「新宿ブレードランナーズ 日本のHIPHOP」
18:00-18:40 :ラップパフォーマンス なみちえ、ダニージン、SRCFLP
19:00-20:00 :新作能のパフォーマンス 渡辺志桜里
■4月14日(月): 東京大学駒場Ⅰキャンパス21 KOMCEE Westレクチャーホール(東京大学アートセンター-ACUTと共催)
16:00-16:15 :開会の言葉
16:15-16:30 :詩の朗読 – 新井高子
16:30-17:15 :対話「デザイン・テクノロジー、地理的境界を越えた対話、そして感情的知性」
T-マイケルとボナヴェンチュール・ソー・ベジェング・ンディクン
17:25-18:25 :ラウンドテーブル 「ロボット、精神そしてアート」
登壇者:池上高志、上出寛子、野村在、長谷川祐子
18:30-18:45 :詩の朗読 青柳菜摘
18:45-20:00 :講演&トークセッション タビア・ニョンゴ「不気味な谷とサイボーグの憂鬱」