日本と韓国、ふたつの拠点をボーダーレスに行き来し、確かな人気と実力を培ってきた藤井美菜。韓国の大人気テレビ番組「私たち結婚しました」をきっかけに躍進を遂げた彼女は、いま何を想うのか。先日、リリースされた写真集『Mina Clock』の製作秘話、韓国でのキャリアを通じて学んだこと、そして続々と日本公開を迎える新作映画について、久々の帰国となった藤井にじっくりと話を訊いた。
ーそもそも韓国でお仕事することになったきっかけを教えて頂けますか?
藤井「学生時代、第二外国語で韓国語を選択したんです。当時、家族全員が『冬のソナタ』にハマっていて、字幕なしで見れたらいいな〜って。そんな安易な気持ちで勉強を始めたものの、2年間のコースを終えてみて、なぜか直感的に『このまま勉強を続けなきゃ!』と強く思ったんです。それから語学学校に通ったりして会話のトレーニングを積んでいく中で、突然、ドラマ『恋するメゾン。~Rainbow Rose~』のお話が飛び込んで来たんです。韓国語を話せる日本人俳優を探してるってことで。これに抜擢されたことが後に繋がる大きなきっかけとなりました」
ー韓国でお仕事しようと思って勉強を始めたわけではないんですね。
藤井「完全に仕事とは別で、楽しみながら勉強していたというか。なので、続けていればこうやって形になるんだなと実感させられました。そもそも俳優って、特技が多ければ多いほど、それを活かす場が生まれていく特殊なお仕事。言葉だけでなく、もっとアグレッシブに幅広くいろんなことに挑戦していきたいと思うようになりました」
(写真:『MinaClock』)
ーかつてハマっていた韓国ドラマに、今ではご自分が出演されている。これって凄いことですよね。
藤井「そうですね、まさに異常事態(笑)。感慨深いものもありますし、なんだか不思議な縁も感じています」
ー韓国でのドラマ撮影はどんな感じですか?
藤井「日本だと、週1回の1時間ドラマでもCMが入るので実質45分じゃないですか。最近までやっていたドラマだと週に丸々2時間分撮らなきゃいけないので、とにかく目まぐるしく時間に追われながらの撮影でした。さっき説明を受けたかと思うと、『一回やってみる?練習!はい、次!本番!』って感じであっという間に本番に入るので、瞬発力を求められるところは大きいと思います。今は大分慣れてきて『え〜い!もう巻き込まれちゃえ!』と現場を楽しむくらいの余裕も芽生えてきました」
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