ーなるほど。で、まさに「光」って意味が今回のアルバムにはある一方で、ホラーズには「黒」のイメージがキー・カラーとしてあるように思うのですが。
ファリス「たぶんザ・ホラーズってバンド名のせいだとおもうけど(笑)」
ーザ・ホラーズにとって「黒」って色にはどんな意味やコンセプトがあるのかな、と。「黒」にはこだわりがありますか?
ファリス「いや、そんなことないよ……たまにはピンクを着るときだってあるし(笑)。ただ、音楽ではいろんな色を描いてると思うけどね……想像しうる限りありとあらゆる種類の色をね。だから、黒のイメージっていうのは、そんなに自分達にとって重要じゃないっていうか」
ーあ、そうですか。ファッション的には黒を好んで着ているイメージが強いですけど。
ファリス「いや、そうでもないよ。服装について言えば、もともとガレージ・バンドとかやってたから、その影響もあるのかもしれないけど、ファッションに関してはそんなに意識してないという……わざわざ戦略みたいなものを練ってヴィジュアル的に主張をしてるわけでもないし、ただ普通に、いつも通りの格好をしてるだけで」
ーただ、ファッションに関してはこだわりが強い方ではないですか?
ファリス「いや、バンドを始めた頃からファッションよりも音楽のほうに興味があったから……ヴィジュアル的な主張に関してはたぶん、最初にガレージ・バンドとかパンク・バンドとかを聴いてたところから影響なんだと……ただまあ、ファッション自体には興味はあるけどね。斬新でクリエイティヴな発想をしてるブランドとか、見ていてすごく刺激になるし、生地のパターンとか模様とか見るのも好きなんだよね。だから、ファッションというよりもアートとして捉えてるというか、自分が好きなファッションもアート志向の強いものだったりするしね」
ーつまり、アートとして音楽とファッションは不可分なものであると。
ファリス「たしかに、一流と呼ばれるバンドは、ヴィジュアルのほうも強烈だよね。というか、自然とそうなっちゃうものなんじゃないかな」
(後編へ続く)