ーちなみに、今回のアルバム・タイトルの「ルミナス(Luminous)」って単語には、辞書で引くと「光」と「明快」って意味があって――。
ファリス「明快ねえ……うーん、どうだろう」
ー理解されやすいというか、まあ日本語では(笑)。
ファリス「自分達の中では、解放するとか、解き放つとか、エネルギーを発散させるっていうイメージに近いんだよね」
ー今回のアルバムで表現したかったものも、そのへんの感覚ですか?
ファリス「そうだね。自分達の曲の書き方がまさにそういう感じなんで」
ーなるほど。ただ、今回のアルバムには“Chasing Shadow”って曲もありますが、ザ・ホラーズというバンドにとって光と影は表裏一体のものなのかなって。『ルミナス』というタイトルに「明快」って意味があるとしたら、一方では「アヴァンギャルド/実験的」だったり、それもまた表裏一体ってメッセージが込められているのかな、と勝手に思ったのですが。
ファリス「たしかに、振れ幅を大きくしていくってことは大事だよね。最上級まで盛り上げておいて、いきなり底辺まで叩き落とす、みたいなさ。今回のアルバムでは、それがいちばんわかりやすく形で出てるんじゃないかな。ものすごく空間的に広がりがある曲もあれば、これでもかってくらい音を詰め込んだ密度の濃い曲もあるし、そういう意味で今まででいちばんバラエティに富んでるアルバムかもしれないよ」