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天野太郎(横浜美術館 主席学芸員)「美術は近くにありて思ふもの」Vol.4 言語を剥ぎ取った先の可能性 中編 ゲスト: TAIGEN KAWABE(BO NIGEN)

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TAIGEN「レコードを見に行くというのは、アートコレクターのように価値ある原盤を集めるというレコードを買う行為だと思います。美術館に行って作品を観る、レコードを聴くという体験は、いくら現代アートのフォームが変わったとしてもフィジカルなものじゃないですか。体験することに関しても、レコードを集めて聴くというよりはライブに足を運ぶという的なところもまだ残っているというか、その両方が混ざった状態が体験なのかなと。レコードが売れなくなってもライブに足を運ぶ人が減らないように、ライブに行くこともフィジカルな体験と考えてもいいかなとも思います。チケットを買いますしね」

天野「なるほどね。メディアがなかった時代は音楽も美術も同じ環境だった。どう足掻いてもその場一回限り。やがて写真が登場したので美術館に行かなくても観れるようになった。音楽は蓄音機をエジソンが発明してからレコードができて、その国に行かなくても世界中でコピーされたものが手に入れることができた。その形態が爆発的に増えてると思うんです。

情報を獲得するためのデバイスやメディアもどんどん進化しているしね。ところが美術、音楽というのは生身の人間がやるっていう意味では依然として大昔から同じことをやっている」

TAIGEN「変わってないですね」

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