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天野太郎(横浜美術館 主席学芸員)「美術は近くにありて思ふもの」Vol.4 言語を剥ぎ取った先の可能性 中編 ゲスト: TAIGEN KAWABE(BO NIGEN)

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森村泰昌展や奈良美智展など数多くの重要な展示を成功させ、現代アートの名裏方として名高い天野太郎。その天野が様々なゲストを迎え、アートの定義や成り立ち、醍醐味を語る連載企画の第4弾。今回のゲストは、イギリスを拠点に活動するバンド、BO NINGEのボーカル&ベースであるTAIGEN。ヴェネチア・ビエンナーレやV&Aなどにも招聘されるBO NINGENの魅力を、アートに携わる天野はどのように分析するのか。そしてイギリスと日本の違いとはーー。

 

(前編より続き)

天野「僕がロンドンに初めて行ったのは20数年前なんですけど、同じ島国としてイギリスと似てるようで似てない日本は、新しいものが出てくると平気で上書きしちゃって過去がどっかに飛んじゃう傾向があるよね」

TAIGEN「街の建築を見ても思いますね」

天野「イギリスは上書きしてるようでしてないでしょう。ある種の遺伝子が残されているというか」

TAIGEN「法律がありますし、他のヨーロッパ諸国と比べて壊されてないですね」

天野「空襲は受けたけどね」

TAIGEN「過去のものが保持されていることによって昔ながらのプライドが残っていたりもしますよね。上書きをしていないというのは捉える人次第ですけど、東京に育ってロンドンへ渡った僕としては本当にそう感じますね」

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