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天野太郎(横浜美術館 主席学芸員)「美術は近くにありて思ふもの」Vol.4 言語を剥ぎ取った先の可能性 前編 ゲスト: TAIGEN KAWABE(BO NIGEN)

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森村泰昌展や奈良美智展など数多くの重要な展示を成功させ、現代アートの名裏方として名高い天野太郎。その天野が様々なゲストを迎え、アートの定義や成り立ち、醍醐味を語る連載企画の第4弾。今回のゲストは、イギリスを拠点に活動するバンド、BO NINGEのボーカル&ベースであるTAIGEN。ヴェネチア・ビエンナーレやV&Aなどにも招聘されるBO NINGENの魅力を、アートに携わる天野はどのように分析するのか。そしてイギリスと日本の違いとはーー。

 

天野「この対談にあたりYouTubeで“Koroshitai Kimochi”を観ましたが、面白かったね。とにかく不思議な感じがしたのは、一本調子じゃないところ」

TAIGEN「ジャンルが分けにくいってことですか?」

天野「そうだね、どのジャンルに落としたらいいんだろうという。やたらうるさいロックではないし、メロディだけではないし、もちろんセリフも入ってくるし、パフォーマンスも不思議だったので、複合的という印象でした」

TAIGEN「それが僕たちのやりたいことなんです。僕がお客さんとしてライブや美術を観に行って『この人、ここから影響を受けてるんだろうな』とか『このバンドが好きなんだろうな』と感じると萎えてしまって。だから余計に自分たちはバンドとしてのフィルターを持たなきゃいけないなと思っていて。僕たちはよくサイケと言われますが、サイケにはロックやクラシック、演歌みたいにフォームがあまりない。自分たちで構築できるのでそういう風に言われるのは好きなんですけどね」

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