—でも、それは長岡くんが当初イメージしていたサウンドではなかった。
長岡「そう。自分で『なんでこんな音を鳴らしてるんだろう?』って疑問を抱いて」
—どこか型にはまっちゃってたのかな。
長岡「そうだと思う。それなりにいろいろ工夫はしてたけど、もっとできるなと思って」
三浦「3人で音を鳴らしてる部分においては最初から楽しかったけどね。俺はもともとロックも好きだから」
長岡「うん。ジャンボはすごく音楽が詳しくて。それまではプレイヤーとして黒っぽいアプローチを多くしてたけど、全然違う面もあったから。それもいいなと思った。だからこそ、もっとペトロールズを面白くできるなと思ったし」
—ルーツはホントにバラバラ3人なんですよね。ボブさんはビジュアル系が始まりだし。
河村「そうっすね。でも、俺も最初に3人で音を合わせたときに『ああ、こういうふうになるんだ。よかった』と思ったのを覚えてる。ジャンボはすげえメロディアスなベーシストだなと思ったり、亮介はこういうふうにギターを弾くんだって思ったり。そんななか、俺はふつうに8ビートを叩いてたんだけど『そういうのはやめて』って亮介に言われたりして(笑)」
—だから、ボブさんはペトロールズに入ってから新しい引き出しを開けてるというか、増やしまくってるっていうね。
河村「そうそう。基本的にいままでやってこなかったドラムしか叩いてないから。身体の神経がおかしくなりそうですよ、ホント」
—まあ、タフなことですよね。
長岡「心身ともにね。かわいそうですよ」
河村「おう。自分でもかわいそうだと思うけど(笑)、すごく勉強させてもらってますよ」
—でも、明らかに異質なプレイヤー同士が交わってる様がペトロールズの醍醐味でもあるわけで。
長岡「うん。なんかさ、バンド内で『今、これにハマってるんだ』とかそういうやり取りってあるじゃん。ああいうのは最初からまったくないし、必要ないと思ってる」
三浦「わりと歳がいってから組んだバンドでもあるからね。そのへんはもうできあがってる部分でもあるし」
長岡「完全にそれぞれのデータベースを共有すると、何かっぽくなっちゃうと思うから。それはヤだなと」
(後編へ続く)