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tofubeats『ディスコの神様』インタビュー(前編)

──悩んだというのは?

tofubeats「単純に良い曲ができなくて(笑)、曲としていけてなかった。J-POPにある突き抜け感が足りなかったんですよね。森高さんの場合はレコーディングの4日前くらいまで作っていて。でも、どこかのタイミングで自分の中に鳴り出すというか。原稿の締め切りとかと同じじゃないですか? うまくいかない状況が続くことで、どこかでうまくいくというか。きっかけがあるわけではなく、ある時、突然できてしまうんですよね。

あと今回の曲に繋がるものとして、去年にぼくとokadadaのユニット<dancinthruthenights>が、東京女子流の新井ひとみちゃんをフィーチャリングゲストに迎えた”マジ勉NOW! feat.新井ひとみ”というのがあって、これが自分で言うのもなんですが、とても好きな感じで仕上がった曲だったのですが、もうすこし思った通りの形にできたかもしれないという後悔もあったんですね。その鬱々とした気持ちを晴らそうということで、ディスコにもういちど挑戦したかった」

──藤井さんに何かお願いしたことはありましたか?

tofubeats「いろんなヴォーカリストの方とやらせてもらっていますが、藤井さんは自分の中でこうやって歌ったら曲がよくなるだろうという自分なりの考えをしっかりとお持ちでした。そして、それがほぼ正解に近い。だから、お願いするようなことはなかったんです。こう歌ってもらったらいいなあと思って音を出したら、その通りに歌ってもらえた。アーティストとしての活動も長い方なので、そのあたりの勘所は鋭いですね。松本隆さんやキリンジとやられていた方なので、逆にこちらが勉強させてもらったくらい」

──特定のキャラクターを想定して演じるように歌っている感じ?

tofubeats「それに近いかも。なんでも言ってくださいって、本当におっしゃるんですよ。技術的なことよりも、この人はどういう気持ちなんですかとか、そういう質問が多かったですね。歌っていて、どんどん感情が入ってきて、すごかったですね。本物のアーティストですよ」

(中編へ続く)

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