8枚目のフルアルバム『steal a person’s heart』から約1年。EGO-WRAPPIN’待望のニューシングル『BRIGHT TIME』が5月21日にリリースされる。本作は、オダギリジョー主演のドラマ「リバースエッジ 大川端探偵社」(4月18日金曜深夜0時12分〜、テレビ東京系列にて放送中)とのコラボ作品。東京・浅草の小さな探偵社を舞台に不可思議な依頼の数々が描かれる“オルタナティブな人間讃歌”に合わせて、エゴの2人が主題歌・劇中歌・エンディングテーマを新たに書き下ろした。うらぶれた街の喧騒が聞こえてきそうな妖しいリズム。ディープで切ない物語としっくり溶けあった色彩感あふれる音色──。すでにオンエアで、そのユニークな響きの虜になった視聴者も多いだろう。脚本・演出を手掛けるのは、これまで同枠で「モテキ」「まほろ駅前番外地」など数多くのスマッシュヒットを放ってきた異才・大根仁。「浅草、隅田川エリアの独特な温度感を音楽にできるのはEGO-WRAPPIN’だけ」という直々の指名によって、今回のタッグが実現した。人間味溢れるドラマとエゴの持ち味が融合した収録曲はどうやって生まれたのか。作品の成立過程を、2人に聞いた。
(中編より続き)
──劇中歌として挿入される“太陽哀歌” 。これはホンキートンクなサクソフォンが吠えまくる、ブルース調の楽曲です。中納さんの中ではどういう風景が広がってたんですか?
中納「これも1曲目の“Neon Sign Stomp”と似ていて。何か重い荷物を背負ってしまった人の景色っていうのかな。そういう印象は何となく残ってますね」
──たしかに「♪反対側の世界で 朝日を待つ者のために 太陽が沈むのを見た」というサビの詞を見ても、歌われているのは太陽を送り出す側の人間。つまり夜の世界の住人なんですよね。
中納「ははは。うん。まあね。でも、そうやって相手に光を渡せる強さもあるというか……。誰かを送り出せる人、見届けてあげられる人が一番強いような気もするんですよ。そういう人には太陽は絶対また昇ってくると思うし。タイトルは哀歌(エレジー)ってなってますけど、実は人間讃歌でもあるというね」
森「個人的には途中でガーッと入ってくる武嶋(聡)君のサックスの、ブリッとした質感もすごく気に入ってます。この曲をレコーディングしてた時期、スタジオでスクリーミン・ジェイ・ホーキンスとか、古いR&Bをよく鳴らしてたんですね。悲鳴みたいな吠え方もこの曲の雰囲気にマッチしてるなと」