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『クジラのいた夏』野村周平インタビュー(後編)

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一方、野村の人生を語る上で欠かせないのがスポーツマンとしての側面。彼は俳優デビュー前に、BMXやスノーボードで多数の賞を受賞するほどの才能を発揮してきた。もしかすると、俳優のみならず、こちらでプロを目指すという選択肢もあったのでは?

 

「いえ、正直、それを仕事にしようとか、それで飯食って行こうとは考えたこともありませんでした。むしろ、この先もBMXやスノボが続けられるくらいに俳優のお仕事でお金を稼いでいければそれでいい。そんな感じですね」

 

ただし、そうして自ら選び取った俳優の仕事も、初期には心の迷いがあったと言う。

 

「現場に行くとあちこちに芸能人がいるわけです。その度に『すげえ!』とか『こんな存在にはなれないなあ』とか気持ち的に流されてばかりいて(笑)。いま思うと、まるで遊びに行ってる感覚だったんです。でも最近それが変わった。仕事にしっかり真向かえるようになった。ようやく自分の中でいい感じになってきたなあと思います」

 

“いい感じ”になれた、そのきっかけには一体何が? 野村はしばらく考えて、こう答えた。

 

「恐らく、大学に行かなかった、ということですかね。その決断があったから、覚悟が生まれた。もう逃げ道が無いと言うか。だったら自分がしっかりしなきゃじゃないですか。それが大きな精神的な転機になりましたね」

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