青春時代、そう口にするだけで、なんだか甘酸っぱさやホロ苦さが込み上げる。映画『クジラのいた夏』は、そんな誰しもが経験する人生の通過点、そして旅立ちの時を、ストレートに描き出した爽やかな一作だ。これが単独初主演ながら、今後は『日々ロック』などの話題作も続く大注目の野村周平。実生活ではスポーティーな一面も持つこの若き逸材に、映画のこと、自身の青春時代のこと、そしてこれからのことを、じっくりと訊いた。
「これって僕の理想の青春像でもあるんですよね」
主演映画『クジラのいた夏』でこれまでとはひと味違う、胸の内側に様々な想いを渦巻かせる役柄に挑んだ野村周平。インタビュー前半では本人が主人公“チューヤ”とは全く違うパーソナリティの持ち主であることが判明した。そういう彼から見て、本作で描かれた男の友情はどう映ったのだろう?
「全然アリだと思います。世界のどこかに、こういう熱い青春を送っているヤツラが絶対いると思いますし。と同時に、これって僕の理想の青春像でもあるんですよね。こうやって信じ合える仲間がいて、最後はその仲間に送り出してもらえて、それでなおかつ帰ってこれる場所がある。そういうのって理想だなと思います。その点、俺はどちらかというと……もちろん友達はいましたけど、別れの時は送別会もやってもらえて……あれっ? そういえば俺も結構、理想の青春送れてますね(笑)」