—たとえば、愛の成就のために、いわゆるラヴ・ソングは効果的だと思いますか? それとも、往々にして逆効果だと思いますか?
ジョセフ「そんなに大した効果はないと思うね。でもカップルにとっては、時には何かしら意味があるものになるのかも知れない。時には新しい恋のサウンドトラックにもなり得るけど、その恋が終わってしまったら、恋していた頃を思い出させるものにしかならない。気分をとても高揚させてくれるものにも、かなり落ち込ませるものにもなり得ると思う」
—あなたが思う最高のラヴ・ソングを教えてください。もしあれば、最低のラヴ・ソングも。
ジョセフ「ポール・マッカートニーの“心のラヴ・ソング (Silly Love Songs)”が好きだね。スティーヴィー・ワンダーの”可愛いアイシャ”は好きじゃない」
—ところで、今回の『ラヴ・レターズ』も含め、これまでの「Pitchfork」における冷遇的なレヴューについてはどう受け止めていますか? 日本のファンの間ではちょっとした話題にもなっているので。
ジョセフ「ふむ、『Pitchfork』はメトロノミーが好きではないと。ただそれだけのことさ。気にはしていないよ」
—前作『イングリッシュ・リヴィエラ』はマーキュリー・プライズにノミネートされるなど、すでに確かな成功を収めているあなたには余計な質問かもしれないですが、もしもあなたがイギリスではなくアメリカでメトロノミーを始めていたら――2006年にアメリカのインディ・レーベルから『Pip Paine』がリリースされていたとしたら、今とは違った形の成功を手にしていたと思いますか?
ジョセフ「多分ね。でもそう断言するのは不可能だと思う。僕はすべての状況にとても満足しているんだ。確かダフト・パンクは最新作をアメリカから出して、世界中に大きなインパクトを与えたと思う。でも突き詰めて考えると、アメリカ人の心を掴もうとばかり思っているわけじゃないんだ。あの国には既に素晴らしいファンがいるし、これからも増えてくれると思うからね」
—最後に。本誌は「都市で暮らす女性のためのカルチャーWEBマガジン」がコンセプトなのですが、アルバムの中から読者にオススメの一曲を選ぶとしたら? その理由もぜひ。
ジョセフ「“アイム・アクエリアス”をお勧めするね。今でも、自分が今まで書いた曲の中でお気に入りのひとつなんだ。
インタヴューをありがとう。いい質問だったよ!」