2022年3月13日(日)、「Dialogue for Dialogue」による宮越里子をゲストスピーカーに迎えた「夢と爆弾 * 〜ネオリベラル資本主義から逃れたいクリエイターたちによる作戦会議」が開催される。
Dialogue for Dialogueとは?
文化芸術と地域社会との接続は、地域振興や観光地化を目的に語られることが多いが、人口過密地域の首都圏においては、ナショナリティやエスニシティ、宗教、ジェンダー・セクシャリティ、社会階層、年齢層、職種がより多様であるがゆえに、社会的に周縁化する人々への社会包摂的な効果が求められると考えられる。民営の公民館やコミュニティースペースや福祉活動は、地域等によってユーザーの特異性があり、周縁化する人々の安全な場としての課題に取り組んでいると言える。また、日用品や食べ物を扱うことも多く、持続可能な社会の実現として、ヴィーガニズムや地産地消、食品ロスなどについての取り組む側面も見られる。
Dialogue for Dialogueは、文化芸術に関する新たな創造性ではなく、潜在する地域の活動やコミュニティースペースの運営をつなぐネットワークの形成や拡張のためのツールの開発によって、「LEAVE NO ONE BEHIND」をいかにして実現しうるかを考えて行く。
Uneasy cohabitation
気候変動や世界各地で発生する自然災害と並んで、新しいウィルスの出現は、今後も免れえないだろうと言われている。その一端は資本主義のもとで行われる人々の活動が及ぼす地球環境に対する悪影響だとされている。これに対して、現状の国家や資本の側の打ち出す対応やその効果は、SDGsの活用に代表されるようなパッケージ化して目標を掲げることを利用したイメージアップ、消費者・生活者の罪悪感の減免に留まってしまっているように見える。また、癒着によるマスメディアの機能不全や、他方でSNSの出現と普及により顕在化した世論の分断が、民主主義の危機をより深刻化させ、迫りくる問題の民主的決定による早期対応を難しくしていると言えるだろう。
COVID-19のパンデミックは、給付制度や入国管理のあり方などを通じ、国家や、戸籍・血縁関係をもとにした従来の因習的な家族や世帯という単位と、その下支えとして機能している性・愛・生殖などをめぐる規範には限界があることを改めて露呈させた。生活の基盤・根幹を担う者は、富や特権のある者が回避できる危険や責務から逃れることができず、感染の矢面に立ちながら負担を強いられ、搾取される構造が顕著になった。
公衆衛生は植民地やグローバルサウスにおいて、または異質とされる者・集団に対して、病理・犯罪・野蛮のスティグマを押し、排除、隔離、制圧、暴力の手段とされることもあり、社会包摂や相互補助とは別の側面として、人々を疑心暗鬼や不安、孤独な環境に追いやることも想像に難くない。
そして人々に課せられた移動や行動・物理的な接触の制限は、オンラインでの業務管理や進化をつづけるゲームなどのアクティビティを介しサイバー空間でのコミュニケーションのもつ役割を増大させ、公共と個人の概念や身体性さえも変容させており、それにより一層グローバルな世界観でものごとを捉える必要性を高めている。
人々の関係性の構築の前提となるものごとや、社会制度上のあらゆる保障などの枠ぐみの再検討とともに、社会やコモン、持続可能な市民的アクティビズムのあり方が議論されている。危機を前にして脆弱な存在はいかに社会で連帯して/せずに共棲するのか。ここではそんなことを話し合ってみたい。
Uneasy cohabitation[Workshop 003]Sun.13th.Mar. 2022.
夢と爆弾 * 〜ネオリベラル資本主義から逃れたいクリエイターたちによる作戦会議
https://dialoguefordialogue.blogspot.com/2022/03/ucws003.html?m=1
クリエーションを通して、労働や左派・リベラルのアクティビズムと関わるときの可能性と課題、カルチャー、表象、批評について話し合う。
例えば、労働と経済活動の只中で、広告と政治と文化とアクティビズムの関係性について。ユーモアの効果と、暴力・暴力的な表現や露悪的な表現のあり方。経済主導のLGBTブームの起こした功罪や、イメージ搾取への抵抗と経済システムの捉え方。さらには、創作の現場で起こる独自の権威や矛盾についてなど、多岐に渡る話を作戦会議と称して掘り下げてみる。
* 友常 勉 『夢と爆弾——サバルタンの表現と闘争』(航思社、2019)
ゲストスピーカー
宮越里子
デザイナー『ミュージック・マガジン』あっこゴリラ『GRRRLISM』『ウーマン・イン・バトル~自由・平等・シスターフッド!~』『BLの教科書』『対抗言論』など、エディトリアル、グラフィックデザインを中心に手がける。フェミニズムZINE『NEW ERA Ladies』編集・デザイン担当。
日時:2022年3月13日(日)14:00-16:00
申込:https://forms.gle/xRSZhkVhJ3ravUdo8 (Googleフォーム)
会場:Online / Zoom
リンクは前日にメールでご連絡いたします。前日以後のお申し込みは開始時間直前にご連絡いたします。
定員:応募多数の場合は締め切る場合があります。ご了承ください。
言語:日本語
参加費:無料
参加申し込みに当たって
* プロフィール
本ワークショップでは、参加申し込みフォームで記載いただいたプロフィールを、Zoomチャット欄で共有します。
Zoomでの表示名(呼ばれたい名前)、可能な範囲の自己紹介と、どうしてこのワークショップに参加しようと思ったのかを記載してください。
運営側のワークショップの録画・録音の使用
*事業報告・今後の事業運営参考資料。(発言者の個人が特定されない使用)
それ以外の公開や使用については、参加者や発言者の許可をえて使用する場合があります。
本ワークショップでのZOOMの使用について
*表示名は申し込み時に記載したZoomでの表示名に変更してください。
*マイクはミュート、カメラのON/OFFは自由です。(会の進行によってコントロールさせていただくこともあります。)
*ディスカッションがある場合は、カメラやマイクもご使用いただけます。
*質問についてはチャット欄で受け付けています。
話の中で補足説明が必要な質問はその都度対応し、他は最後の質疑応答でお答えします。
全ての質問に答えられない場合もありますが、気兼ねなく質問や感想などを書き込んでください。
禁止事項
*Zoomとアーカイブ動画のURL・ID・PASSなどの第三者への共有。
*録画・録音、写真や動画撮影、スクリーンショット等。
*差別的、暴力的な言動。(繰り返す場合には、強制的に退出いただくことがあります。)
*個人の経験やプライバシーに関わることを聞き出そうとすること。
*特定の第三者の個人情報を公開すること。
*ワークショップ内で共有された他の人の個人情報やプライバシーに関わることを第三者へ共有すること。
注意事項
* 性・暴力についての具体的な経験(この部分について、トークのはじめで全体的に暴力の話が出ることを強調しておきますね。)などは、あらかじめ参加者に予告し、確認をとってから話すようにしてください。
* 会話の内容を不快に感じることがあれば、まずはご自身の身を守る行動を取るようにしましょう。
* 言いたくない事は言わなくて構いません。聞かれても遠慮なくスルーしてください。
* さまざまな年齢、ジェンダー、セクシャリティ、ナショナリティ、エスニシティ、氏名、見た目、身体的・精神的な障がいの有無などのひとがいます。他者を決めつけず、否定せず、尊重しましょう。
* 参加者全員で対等でよりよい環境をつくりましょう。
SOS・意見・感想フォーム
Zoomのリンクをお送りする際に、お知らせします。
ワークショップの最中に緊急で運営者に伝えたいこと、ご相談があるときにご使用ください。
ワークショップの後に運営者・ゲストスピーカーへの意見や感想も受け付けています。
ファシリテーション
Maiko Asami(デザイナー / イベントオーガナイザー)
1983年東京生まれ。
1997-1999年 MP. ART WORX名義でパンクシーンでアートワーク制作活動を展開。
2001-2004年 武蔵野美術大学デザイン情報学科にてカルチュラルエンジニアリング/アートディレクションを専攻。
2004-2011年 卒業後、アパレル企業・ファッション研究所・IT系企業などに勤務。
2006-2013年 その傍ら、レズビアン&クィアカルチャーウェブマガジンTokyoWrestling.comエディター/バイヤーを務める。
2011-現在 脱サラ後、アクセサリーブランドBLACK TRIANGLE DESIGNを立ち上げ、独立。
2012-2019年 Neo Dark Age Queer Dance Party SODOM オーガナイザーを務める。
2019-現在 クィア&フェムDJパーティWAIFU オーガナイズメンバーを務める
BARBARA DARLINg(アーティスト)
新潟県生まれ、東京育ち。「Optional Art Activity「 Who is “Mr. SUZUKI”?」(Take Ninagawa, 東京, 2016)に参加、「作家ドラフト2016」(京都芸術センター, 京都, 2016)出展、「戦争画STUDIES」(東京都美術館, 東京, 2015)や「The shiny future exhibition 2013 The HUMANISATION」(東京都美術館, 東京, 2013)をキュレーション・出展。