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パスピエが語る、未来へ向けた新たな挑戦としての原点回帰(中編)

MATATABI_メインA写_

多様な音楽性やアートとの親和性を含め、未だ実像をはかりかねる存在であるパスピエ。確信犯的にプリズムのごとくカラーを変えながらも、中軸にあるオリジナリティと卓越した先見性でもってシーンに確かな爪痕をたてる稀有な存在だ。そのパスピエがメジャー1stフルアルバム『演出家出演』から約10ヶ月というスパンで両A面シングル“MATATABISTEP/あの青と青と青”をリリース。彼らの次なる一手は、そして彼らから見たシーンの動向とは。

(前編より続き)

—なぜそう思ったか詳しく聞かせてもらえますか。

成田「4つ打ちが持っている求心力は音楽的に見ても絶対的なものですよね。そんなおいしい素材だからこそみんなこぞって使っているなかで、必然的に対抗勢力が生まれている気がして。つまり、そう単純には4つ打ちを選べない空気になってる。そんななか、あえてパスピエが4つ打ちを選ぼうとなったときに——結果的にライブで披露してどういうアクションが起こるかはまだわからないですけど——僕のイメージとしてはいま主流の4つ打ちは手を動かすことにフォーカスされてるなと思っていて。じゃあ足で乗るリズムというところに耳をいかせるためにはどうしたらいいか考えたんですよ」

—それこそステップを刻ませるためには。

成田「そう。だから、ドラムのリズムパターンとしてはシンプルだったりするんですけど、クラップが起きやすいような単純な作りにはしなかったつもりです。シンセの音に関しては僕自身が80年代のテクノ、ニューウェーヴが好きなんですけど、僕はその時代に生きれなかったわけで。そこに対する憧れというか、羨ましさがあって。自分があの時代にリアルタイムでテクノやニューウェーヴを体感してたらどういう気持ちになったんだろう?ってすごく興味があるんですよね。そういう自分だからこそ作れるサウンドもあるなと思っていて」

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