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VERBAL(m-flo)へ中田クルミからの質問 「私たちの世代をどう思いますか?」(後編)

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VERBAL「日本は職人肌の人が元々多いから、細かいところにも主張があって、それが良いものに繋がっていくと思うんですよ。だから自分らしさがある。中国では商品から内装まで丸パクリしたSTUSSYの偽ストアができたり、アップルストアの偽物もあったりする。それも商標を先に取った人がいるならそれでいいんじゃないって感覚で、罪悪感がない。良い悪いというんじゃなくてそういう文化なんです。日本も、こだわりやオリジナリティという日本らしさがなくなって、感覚が良くも悪くもインターナショナル化してきてるのかなと思う。原宿も昔は日本らしさがあったけど、今はそれを感じられるものが少ないように思えるんです。歩行者天国があって、ロカビリーみたいな人がいて、ランプを出してみんなでスケボーしたりしてたけど、そういうコミュニティもなくなってしまった。NIGO(R)さんとジョニオ(高橋盾)さんがNOWHEREをオープンした時、そこで溜まってるお兄さん達はかっこよかったし、コミュニティ感があったんですよね。掘れば掘るほど変なお店がいっぱいあって、誰にもそのお店を教えなかった。今はみんな知ってるし、言った者勝ちだから、そういうお店があったとしてもお洒落じゃない子が拡散してしまうとそこで新鮮さはなくなる。この状況に置かれてるからこそ、今の若い子はサバイヴが難しいんじゃないかなって思う」

クルミ「自分がどうこう言えるって立場じゃないんですけど、私、今度初のパーソナルブックを出すんです。そのタイトルは『NOWHERE』にしました。私らの世代って本当になにも知らないんですよ。服を好きな子でもNOWHEREのことを知らない人はいっぱいいる。私はジョニオさんと年齢が半分以上離れてるんですけど、私たちのやってることの原点はそこにあるじゃないですか。かっこいいものはずっとかっこいいと思うし。そうしてソースを知ろうと思うきっかけになればいいなと思ってタイトルをつけたんです」

VERBAL「そうなんだ、いいですね。やっぱり音楽でもファッションでも昔は掘るのがかっこいいって風習があって、『そのネタも知らないのか』ってヒップホップ談義をするのが面白かったんですよね。今は逆に掘る人がスペシャルな立場になってるというか。でも、みんながそれでいいってことになってるわけだから今後どうなるのかとは我々の世代も当然思います」

クルミ「掘るよりも、流行るか流行らないかみたいなところがポイントになってしまってますよね。きゃりーちゃんを代表する原宿カルチャーも過ぎ去っていっちゃったら、私達はご飯を食べられなくなっちゃうし。そういう感じを上の人はどう思ってるんだろうってずっと思ってます」

VERBAL「気合いがあってヴィジョンがある人に年齢は関係ないと思います。ただ、ネット上にはコミュニティ感があるのかもしれないけど、会って喋ることが昔に比べると減ってるのかなと思う」

ー 多分、熱く話しても場合によってはうっとうしがられますよね。

VERBAL「うん。だからおれも極力そういう重い話は避けるようにしてたかもしれないです。昔はそういう話が面白いから永遠と濃い、マニアックな話をしてたんだけど、今だと煙たがられるだろうなって。軽快な話になるようにポップなふりをしてるのは、自分の濃いところを求められてないのかなって感じるせいかもしれないですね」

クルミ「VERBALさんは若い子に対して、『はいはい』って感じですか? それとも『もっと頑張れよ』って思ってますか?」

VERBAL「頑張れよとは思わない。それはそれでおこがましいから。僕たちも失敗を経てきてるわけだし」

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