クルミ「でも私たちの世代をよく思ってない人は多いと思うんですよ。全部がカオスじゃないですか。私も原宿系だけど、ギャルも原宿系の格好をしているし、どんどんフラットになってきて全部がごちゃ混ぜになってる。中には自分で頑張らないと得られない情報もあるにしても、TwitterのTLで流れてくるのをリツイートしたら自分のものになるみたいな感じがあるじゃないですか。そういう感じでみんながどこに行くのかわからない世代だなと思ってて」
VERBAL「アーティストもそうかもね。僕が21、22歳の頃って、同じ年歳のアーティストはかっこいいけどしょうもないって人ばかりでしたもん(笑)。アーティストはそういうもんだって時代でもあったし。なんでもかんでも「やり過ぎ」がカッコイイ、みたいな。今の若い子はそういうハードな人があまりいないイメージがある」
クルミ「私たちの世代はあまりお酒を飲まないイメージがありますよね」
VERBAL「先輩に怖い人がいないしね。僕ら75年世代はハチャメチャな先輩方が多い世代の1個下だから、ちょっとストッパーがかかってるんですよ。だけど、そういう人達を見て育ってるからそこについていかないとって気合いはある。例えばTEI TOWAさんとかも体1つでNYで成功した人だから気合いが半端なかったと思う。昔は肉食が多かったというか、やっぱり実際に原宿に行かないとわからない、フライヤーをもらわないとわからないような情報が確実にあって、情報交換しないと情報が得られない時代だったんです」
クルミ「今は考えなくても情報が入ってくるからヌルってしてる子が多いと思うんですよ。でも、ヌルっとしてる中でも、頭1個抜けた人がかっこいいことして目立ってる」
VERBAL「確かにもっと冒険してもいいなと思うけど、かっこいい人もいっぱいいるなとは思うよ。俺らはバブルの直後だったから金の使い方が荒い人も多かったし、その名残でこの経済状況なのにお金バンバン使ってるような間違っている人はいるし(笑)。そういう感じとは違うかっこよさ。全般的にパッケージされているというかね。昔は1つすごいことをしてたら、『あいつ、スゲー!』って盛り上がったけど、今は全体的にプロデュースして磨いていかないといけないから、何かに偏ってる人が少ないかもしれない」
(後編へ続く)