ーVERBALさんもそういう時代があったんじゃないですか?
VERBAL「仕事自体がもともと趣味から始まったようなものでしたからね。それこそ☆Takuは小学生の頃から知っているし。高校でバンド組んで、当時フジテレビのイカ天みたいな番組で『ハウスエナジー』というのがあって、その番組にデモテープを送って、ノリでオーディションに行ったら優勝しちゃったという。そしたら大手メーカーからデビューのオファーが来たんですよ。でも当時( 1991年頃)はオリコンにラップは入ってないじゃないですか。それで親にも『ラップで食ってくなんて無理でしょ』って言われて、泣く泣く諦めて大学に行ったんです。で、☆Takuも大学に行ったんだけど、中退して日本に戻って音楽やってて、僕が大学卒業して大学院に行き始めた頃に『リミックスの仕事が入ったらからラップやってよ』って言われて、『いいよ〜』なんて感じで始まったのがm-floなんです。仕事にするって意識じゃなくやってたから、デビューしてまさかこんな十四年もやるだなんて夢にも思ってなかったんですよね」
クルミ「へえ、最初はそうだったんですね」
ークルミさんはもう大学卒業ですか?
クルミ「今年の3月に卒業です。もう卒業認定はもらいました。私は日芸の映画学科、演技コースに在籍していて役者になることが目標なんです。先輩でいうと真田広之さん、佐藤隆太さんなどがいて。佐藤隆太さんが『木更津キャッツアイ』に大学2年生の時に出てるんですけど、私もそういうキャリアが目標だったので、大学にいるんだったら外で仕事しようと思っていました。私の学科はそれを推進してて、もちろんテストもあるんですけど、撮影があるならそっちを優先していいという。だから倍率も高くて、入試の時はめちゃくちゃ勉強しました」
ーなるほど。仕事が優先されるとはいえ、こんな忙しい中でちゃんと両立して大学卒業できるのはすごい。
クルミ「私、よく忙しそうって言われるんですけどめっちゃ暇ですよ。家でひたすら『戦国BASARA』とかやってるし、不毛な生活を送ってるなってヘコんだりします(笑)。でも忙しいとかきらびやかに思われてるのはいいことで、それだからこそ来る仕事もあるなって思いますね」
VERBAL「それは嘘じゃないですよね。実際にそういう活動はしていると思うし、キャリア的にもトントンといい感じなんじゃないですか?」
クルミ「そうですね。でも名前とか印象が先行しないように自分が頑張らなくちゃって思います。繰り返しちゃいますけど、根が暗いので家でずっとゲームとかしてますから(笑)」
VERBAL「(笑)。僕もゲームは本当に好きなんですけど、あえて避けているもののひとつです。趣味が高じすぎるくらい好きだけど仕事にはならないというもので、避けてるものがいっぱいあるんですよ。スケボーもそうですね。昔はやったんですけど、神宮にハンドレールがあって、そこでトリックしたらケガして死にそうになってやめました。元スケーターの人は多いから、スケシン(スケートシング)さんとかともそういう話で盛り上がったりしますけどね。ゲームも同じくかなり好きなんですけど、中毒というか、頭が痛くなるくらいハマってやり続けちゃうから仕事に支障きたしかねなくて今はやめてるんです。だからなんだかクルミちゃんの話を聞いてて新鮮だなと思いました(笑)」