和菓子職人は、お菓子をつくり、食べた人に「美味しい!」と言ってもらうことが仕事です。
美味しいお菓子を作るために、材料の旬や産地毎の品質、特性などを知っていたり、いろいろな加工技術を身につけていたりします。
それらを駆使して「美味しい!」と言ってもらえるようなお菓子を作るわけです。
でも、もっと大切なことは、「美味しい!」を知っていることだと僕は、思っています。
自分たちのいる和菓子の分野に囚われることなく、和食でも、フレンチでも、うどんやラーメン、カレーでも「食」に関して興味を持ち「美味しい!」を知る。日本中、世界中には多様な「美味しい!」が存在しています。
コンビニの弁当を美味しいと感じる人もいます。
星付きのレストランの料理に駄目だしする美食家もいます。
「美味しい!」を判断する人それぞれの個人差も多様にあります。
どんな「美味しい!」があるのかをより多く知ることは、「美味しい!」仕事をするうえで重要なのです。
しかし、必ずしもすべての「美味しい!」に共感する事とは違います。
自分が「いまいち」だと思っても、それを「美味しい!」という人がいる現実を知ることもその逆を知ることも大切なのです。
雑誌やTVで紹介されているから「美味しい!」とか
タレントが来たから「美味しい!!」なんて借り物の「おいしい!」ではなく
自身の味覚で「美味しい!」を見つけることで「美味しい!」と言ってもらえるお菓子を作れるようになると思っています。
これからも多様な「美味しい!」を探して生きていきます。
*写真は先日出張で京都に行った時に頂きました和久傳さんの「美味しい!」酢の物です。