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藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」#13山

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孤独というのは、自分を見つめる繭のようなものだ。時々その繭に自ら進んで入り、自分を感じ直し、見つめることで、自分を癒すことが出来るなら、その人は外見的にも内面的にもバランスのとれた美しさを保つ事ができるだろう。孤独は心のふるさとであり、たまに帰省しなければ、心は迷子になって疲れ果ててしまう。
美しくなるために、サプリや健康法や、コスメ、食事に気を配ってはいるももの今ひとつしっくり来ない人には、週末に近場の山へ行ってはどうだろうか?孤独を愉しむために。
都内ならば奥多摩あたりも良いし、鎌倉には素敵なハイキング道も整備されている。その他の地方でも身近な山は必ずあるはずだ。
普段着ないようなカラフルな色のアウトドアウェアを纏って早朝の電車に乗れば、数時間後には透き通る空気の中を歩いていられるだろう。
まずは、ゆったりとゆったりと土の道を味わうように歩いてもらいたい。体が慣れるまでの最初の三十分は、息がきついかもしれないが、出来たら立ち止まらずにゆっくりでもいいから歩き続けてほしい。次第に順応してくるので、それ以降はどこまでも歩いていけるような活力が湧いて来るだろう。そのうち自分の丁度良いペースがつかめたら、五十分毎に十分間の休憩を挟んでいくと良いだろう。あまり長く休むと体が冷えてしまうので、気をつけたい。
初めてなら、数時間歩けば良いと思う。気持ち良く歩けそうなら、最初からもっと延ばしても構わない。要は楽しめるうちにやめることだ。自分をプッシュしてまでやる必要はまだないだろう。それは、慣れて来たらでいい。
まずは山での孤独を味わい、山の自然の美しさに心を開くこと。山と自分との境を外し、山の一部になること。それがどんなに素晴らしい事で、ストレスをリリースしてくれることかを多くの人に知ってもらいたいと心から思う。

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