さらに加えて複式呼吸も意識したい。現代人は胸で息をしていることがほとんどで、腹で息をすることは少ない。そこを意識的に複式に変えてあげることで、ネガティヴな思いが溜まり易い内臓のマッサージになったり、横隔膜をより広げられるので酸素をたっぷり入れられるというメリットがある。さらに加えて、臍の下にある丹田という身体の中心を刺激して、脳に昇りすぎた気を丹田へと下げ戻す。人間の中心というのは、東洋医学では丹田にあると言われ、その丹田に気を戻すわけだから、必然的に心身のバランスが取れる。
ざっと正しい呼吸の仕方の説明をしたが、これを就寝前に十分から三十分続けてみてほしい。最初は十分さえも長く感じると思うが、慣れると気持ちいいので、三十分ぐらいすぐに出来るようになる。
どこかのリラクゼーションサロンに通うことを思えば、自宅の就寝前にゆったりベッドに座って三十分呼吸を整えることは容易なはずだし、その効果は間もなく感じてもらえると思う。就寝前に行うと、睡眠の質にも繋がるので、美容的な効果も大いに見込めると思う。
背筋を伸ばし、目を閉じて、肩の力を抜いて、ゆっくりと丁寧に息を細く吐き切る。これは呼吸法の基本中の基本なので、バリエーションは他にも様々ある。それは、以降の回のどこかにて。
くれぐれも、息を吐き切ることを丁寧に。息を愛せれば、日々を愛せるようになります。
(つづく)
※『藤代冥砂「新月譚 ヒーリング放浪記」』は、新月の日に更新されます。
「#10」は10月24日(水)アップ予定。