ウエマツタケシによる数年ぶりとなる写真展が開催。さらに、2023年に山梨県北杜にオープンしたギャラリー「WhERE is FAKE」による多面的な表現作品のポップアップもスペース内にて開催される。
モデルとして、写真家としても異端であった“ウエマツタケシ”が、山梨県北杜に作家活動の拠点を移し、新たな視点でそれまでの表現活動と自身の存在意義を探求模索した、その活動記録と自問自答の答えがそこにある。
モデルとしてデビュー当時より、ひとりの表現者として、常に新たな経験への好奇心とその体験を通して本質を探求することだけに時間と命を使ってきた“ウエマツタケシ”のあらたな表現のかたちとして、全体の展示構成も作品ひとつひとつも両方で体感することができる。
現代の超情報化社会で生きる私たちには、どこで何を見ても、そこには常に既視感があって、そのイメージ(既視感)は切り売りされ消費されていく。
初めての場所に立っても、その景色は自身の記憶に貼りついた、どこかの誰かによってもたらされた既視感と重なり、無力な退屈さだけが残り、無機質な「消費の対象」としての景色がdominateする。
今回の展覧会では、無意味で特に価値のない写真を展示する。
主体性の無い自然は色彩に満ち、混沌としていますが、人工物は冷たくモノクロームで直線的だ。この対比は、私たちが自然に戻れないこと、そして繰り返しの中で生きる無情と私たちの存在の不条理をあらわしている。
本来の風景や自然の意義は失われ、私たちは影響を受けることなく、私たちはただただそこに存在し続けることでしかない。
同時開催となる、ウエマツがオーナーを務める山梨県北杜市にあるギャラリー「WhWRE is FAKE」による東京初となるエキシビジョンで展示されるのは、現代において無価値とされ人の手を離れた廃棄物や都市から見過ごされ、分断された環境に放置された遺物たち。”これから先に新しいモノは何も生まれない”という観点から、独自の視点で収集されたそれらの”モノ”を再編集し、新たな視点と気づきを与えたり、創作を加えることで、その価値基準を根本転換し現代に問い直す。
本展では、ウエマツ自身が全国を巡り収集(サルベージ)してきた古物を中心に、染色家・潮津美左紀氏との協業によるさび染めの衣服や、鉄作家・Nao Otsukaとの共作となる彫刻、画家・Efrain Vivas Hattoriの絵画作品まで幅広い作品の展示販売を予定している。
ウエマツタケシ写真展“僕らの智慧の果てるまで”
「WhERE is FAKE」 pop-up “salvage&trans”
2024.11.22 fri- 12.1 sun Open12:00-19:30
Studio 4N / 渋谷区猿楽町2-1 アベニューサイド代官山Ⅲ
https://www.instagram.com/studio__4n/
「WhERE is FAKE」
2023年に山梨県北杜市にある”GASBON METABOLISM”内にオープンしたウエマツタケシがキュレーションするギャラリー。国内にある都市環境から分断された環境へ足を運び、独自の視点でサルベージした”モノ”を緯度、経度、時間軸を解体しながら、曖昧になったホンモノとフェイクの境界線にアートを織り交ぜ、“いま”という時代における新たな価値として提案。
408-0205 山梨県北杜市明野町浅尾新田31-1-2F
EC whereisfake.stores.jp/
INSTAGRAM @where_is_fake
-参加アーティスト
Nao Otsuka / 鉄作家
@otsuka.music
潮津美左紀/ 染色家
@8msk_31
Efrain Vivas Hattori / 画家
@efrain_vivas_hattori
Takeshi Uematsu / ウエマツ タケシ
山梨県北杜市出身。写真家、映像作家、モデル。ギャラリーオーナー。
LOUIS VUITTONのランウェイでパリコレクションデビュー。
数々の大手メゾンのランウェイ、雑誌、広告媒体などで活躍後、放浪の旅をきっかけに独学で写真を始める。フィルムカメラに拘り、ストリートスナップを軸に展覧会や芸術祭への出品等、精力的に活動。
IMA主催の写真コンテストIMA NEXTにて<a dog in Berlin>でグランプリ受賞。森山大道選。
山形ビエンナーレ2020『いのちの学校』<Live madness with through sanity>出品。
KYOTOGRAPHIE2022 KG+ <Live madness with through sanity> haku kyoto 出展。