多様性が自然な状態として受け入れられつつある現代においては、当然の帰結としてマイノリティたちが可視化されていく。それに対してマジョリティ側が、恐怖や違和感、場合によっては反感で応える傾向も認められる。この状況への疑問、あるいは問いかけとして生まれたのが空想の百貨店、「白昼夢百貨店」。
人間は当たり前のように目の前にいる相手を他人だと認識できるのに、その他人と自分との共通しない部分や理解できない特徴について、未知のものに対する忌避感から反発心を抱いてしまうことが多々ある。
マジョリティ側がマイノリティ側の存在について否定的な態度をとってしまうのは“知らない”からゆえの恐怖、そして自分の人生に影響が起きてしまうかもしれないという空想からきているものかもしれない。
この百貨店には、いろんな疑問たちが偽物の商品となって陳列されている。それらを見たときに、私たちは何を考え、感じるだろう?
そしてその商品たちは私たちに危害を及ぼしたり、明日を変えてしまう影響を持っているのだろうか?
入場してから退場するまで、そしてこの展示会が終わったあともわたしたちの人生は続く。何事もなく、何も変わらず。
この百貨店が伝えたいのは、“違和感”や“未知”は恐れなくても良いということ、あなたの人生に何の影響も、本当は及ぼさないこと。
他人という存在はそんなにも身近な距離にはいないこと。
フォトグラファー、スタイリスト、インダストリアルデザイナー、グラフィックデザイナーと異なる職業の4名がそれぞれの専門領域を生かし、「架空の商品」を生み出し展示する。
白昼夢百貨店
Daydream Department Store
眞鍋アンナ シマ 越出つばさ 三崎了
会期:2024年5月29日(水) – 2024年6月 4日(火)
時間:11:00 – 20:00※最終日は17:00まで
場所:〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ8階 CUBE 1, 2, 3
料金:入場無料
主催:眞鍋アンナ MAIL:mamabe1013@gmail.com
眞鍋アンナ(写真家)
1994年生まれ。オーストリア人の父と日本人の母を持つ。ウィーンにある母の母校、Angewandte Kunst Wienに通う。ファッション商業写真学科にてMaria Ziegelboekの元で学ぶ。2020年9月よりフリーランスとして活動開始。「寂しい、苦しい、などのネガティブな感情は美しい」を表現の軸として空間や写真を絵画のように閉じこめることが得意分野。執筆、アートディレクション、撮影、舞台美術などを主に活動している。
Instagram @mamabe
シマ(スタイリスト)
熊本県出身。文化服装学院でスタイリングを学ぶ。フリーランスのスタイリスト、デザイナーとして活動中。
Instagram @shiiima0fuku
越出つばさ(インダストリアルデザイナー)
日本の福岡に生まれ、東京を拠点に活動するビジュアル&インダストリアルデザイナー。また、土田恭平とのデザインデュオ「TAK DESIGN」としても活動している。不思議なアイデアや小さな疑問を可能な限り想像し、詩的な感性と工業製品の美学を融合させ、新しいインテリアプロダクトを生み出すことを得意としている。
Instagram @tsubasa_koshide
三崎了(グラフィックデザイナー)
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、現在は東京を拠点にフリーランスのグラフィックデザイナー、アートディレクターとして活動中。
Instagram @ryo_misaki_