11月3日(金)よりプラダ青山店にて、田名網敬一個展「PARAVENTI: KEIICHI TANAAMI」(パラヴェンティ:田名網敬一) が開催。本展は、ミラノのプラダ財団で開催されるグループ展「PARAVENTI」の一貫で、ヘルツォーク&ド・ムーロンが設計したプラダ 青山店5階を会場に、同じくニコラス・カリナンのキュレーションによって2023年10月26日から2024年2月22日まで開催される「Paraventi:Folding Screens from the 17th to 21st Centuries」(パラヴェンティ:17世紀から21世紀の屏風)と併せて開催される。
1960年代から日本を代表するポップアーティストの一人である田名網敬一(1936年東京生まれ)は、ミラノでの展覧会のために制作した屏風のコンセプトを発展させ、新たなインスタレーションをプラダ青山会場ために特別に制作。本展には、屏風のように展開するビデオインスタレーション、キャンバスコラージュを用いた屏風、プロジェクションマッピングを駆使した大きな書籍によるビデオインスタレーションなどが含まれます。これらの作品は、「畳み込む」という概念を強調するとともに、日本における紙芝居の文化を想起させる。
田名網の作品は、アメリカのポップカルチャーと、浮世絵に代表される日本の挿絵様式的な特徴や技法の組み合わせに象徴される。シュールでサイケデリックな背景に描かれた漫画や映画の世界のキャラクターたちが、パブロ・ピカソの『ゲルニカ』などの作品と出会う事で、権威やヒエラルキーに対する表現をしている。
田名網の活動は、表現様式よりも方法論を優先することで、グラフィック小説やコラージュ、彫刻作品、絵画、映像作品など、さまざまな表現方法を横断している。ミラノで発表する彼の屏風が、動く概念を具現化したものであるとすれば、東京のインスタレーションは逆の過程を経て、インスピレーションの源となった時間軸という概念へと本来の役割を取り戻していると言える。それにより、現代および未来における屏風という概念のズレを掘り下げ、隠されているものと明らかにされているもの、畳み込まれているものと解き放たれているものとの対比に更に光を当てる。
本覧会では、室町時代後期(16世紀)に活躍した日本人水墨画家、式部輝忠の六曲屏風一双『梅竹叭々鳥図屏風(バイチクハハチョウズビョウブ)』も展示される。この歴史ある屏風は、伝統的な風景画を巧みに凌駕し、動きと赴きを伝えるためにパネル構造を取り入れた好例。万華鏡のような色彩豊かで複雑な田名網のスタイルと相互の関係を生み出し、アートの歴史とのつながりを明らかにする。
田名網敬一
Fondazione PRADA
PARAVENTI: KEIICHI TANAAMI
パラヴェンティ:田名網敬一
会期: 2023年11月3日(金) ~ 2024年1月29日(月)
月曜日 ~ 日曜日 11:00 ~ 20:00
会場:プラダ 青山店 5F MAP
〒107-0062 東京都港区南青山5丁目2-6